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テロメア |
テロメアの長さを決める遺伝子はX染色体上にある Telomere1(TTAGGG) |
2004-02-11 10:16:37 Flemish Study on Environment, Genes, and
Health
Outcomesに参加した家族の白血球のテロメア遺伝子を調べたところ「テロメアの長さは父親と息子では相関がないが、父親と娘、母親と娘、母親と息子で相関があった」という結果となりました。
2004年2月14日のLancet誌に発表された研究成果です。 |
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短いテロメアが初期癌に関与 前癌病変で異常に多いことを確認 |
〔米メリーランド州ボルティモア〕
ジョンズホプキンス大学(ボルティモア)泌尿器科・病理学科のAlan K. Meeker博士らは,異常に短いテロメア(通常は遺伝子の完全性を保護する染色体末端のキャップ状構造)が,多種の癌の初期発生に関与するというエビデンスを得たとClinical Cancer Research(2004; 10:
3317-3326)に発表した。 同博士の研究チームとジョンズホプキンス大学の他の研究者らによる以前の研究では,前立腺癌,膵癌,乳癌の前癌病変の90%以上で短いテロメアが認められた。 |
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強いストレスで老化早まる 米大学が人の細胞で発表 |
【ワシントン30日共同】強い心理的なストレスは細胞の老化を早める可能性が高いと、米カリフォルニア大サンフランシスコ校などのチームが30日までに発表した。研究論文が近く、米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載される。ストレスがさまざまな病気の引き金になることは指摘されていたが、具体的なメカニズムは不明で、同チームは細胞の老化が病気を引き起こす一因とみている。チームは、病気の子供を介護している母親39人と、健康な子供を持つ母親19人について、免疫にかかわる白血球細胞の核の中にある「テロメア」という部分の長さを調べた。テロメアは細胞が分裂して年を経る度に短くなるため、細胞の老化の一つの目安になる。 |
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配列複製のメカニズム解明 老化に関連のテロメア |
染色体の両端にあり、細胞が分裂するたびに短くなる遺伝子の配列「テロメア」が複製される際、DNAの傷を修理するのと同じ生体内のメカニズムが利用されることを、国立長寿医療センター研究所(愛知県大府市)の松浦彰・室長(分子遺伝学)らが突き止めた。 テロメアとの関連が注目されている老化現象の解明や、がんや一部の遺伝病の治療法開発などに役立つことが期待できるという。米科学誌モレキュラーセルに18日発表した。 研究グループは、酵母(イースト菌)を使った高感度な検出方法で、テロメアとタンパク質の結合を解析した。染色体が複製されテロメアの構造が失われると、修理を行う酵素テロメラーゼを働かせるために、最初にMRXと呼ばれる複合タンパク質が結合した。 |
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英国で1122人の女性(年齢18〜76歳)を対象に行われた研究結果。対象者の血液を用い、DNA(デオキシリボ核酸)を構成している染色体の末端にある「テロメア」の長さを測り、その結果を体格や喫煙の有無などによって分類しました。テロメアは細胞レベルの老化に伴い短くなっていきますが、研究の結果、肥満と喫煙が細胞レベルの老化を加速していることが分かりました。喫煙については、喫煙本数が多いほど、テロメアの長さが短くなる傾向がみられました。テロメアの長さを指標に細胞レベルの老化速度を推定すると、肥満の女性はやせた女性に比べ、8.8年分も老化が進んでいることになります。 |
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マウスのテロメアを保護する2つのPOT1タンパク質の機能は異なる |
2006-07-27
ヒトのテロメアは、一本鎖DNA結合タンパク質・POT1を含む複合体であるシェルタリン(shelterin)によって保護されています。一方、マウスのテロメアにはPOT1の2つのパラログ・POT1aとPOT1bが含まれています。このことを発見した研究者等が、これらのパラログを条件的に欠損させ、その機能を検討した研究結果が2006年7月14日のCell誌に報告されています。ダブルノックアウト細胞ではPOT1a/bが染色体末端でのDNA損傷信号、核内倍加、老化を防ぐことが示されました。一方、POT1a/bはテロメア融合の抑制にはほとんど必要ありませんでした。また、シングルノックアウトと相補性実験から、POT1aとPOT1bには異なる機能があることが明らかになりました。POT1aは、テロメアでDNA損傷信号を抑制するために必要でしたが、POT1bは不要でした。逆に、POT1bにはテロメア末端の一本鎖DNAの量を調整する能力がありましたが、POT1aにはありませんでした。この研究から、ヒトのテロメアで必要なPOT1タンパク質は一つであるのに対し、マウスのテロメアには2つのPOT1タンパク質が必要と分かりました。哺乳類の染色体におけるこうした生物学的相違は他に例がなく、この研究結果はマウスを使用したヒト・テロメアの生物学的モデル作成に影響を与えると考えられます。‥>
Article Recent Expansion of the Telomeric Complex in Rodents: Two Distinct
POT1 Proteins Protect Mouse Telomeres. Cell, Vol 126, 63-77, 14 July 2006 |
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大きな生き物ほどテロメラーゼが抑制されている |
2006-12-09 多細胞生物において、生殖細胞のテロメアの長さを維持するのにテロメラーゼが必要です。一方、体細胞ではテロメラーゼは不可欠ではありません。マウスでは体細胞・生殖細胞組織の両方で発現していますが、ヒトではテロメラーゼはもっぱら生殖細胞にしか発現していません。このため、ヒトの体細胞のテロメアの長さが臨界値に達すると、体細胞は複製老化(replicative senescence )と呼ばれる不可逆的な成長停止状態となります。複製老化は細胞増殖を制限する抗癌メカニズムの1つであると考えられています。ヒトはマウスよりも大きくて長生きします。また、上述したようにヒトの体細胞ではテロメラーゼが発現しておらずマウスでは発現しています。そしてテロメラーゼの抑制は癌の防御機能に関与すると考えられています。このことから、体が大きく寿命が長い生物における癌抑制機能の一つとして、体細胞におけるテロメラーゼの抑制がもたらされた可能性があります。世界各地から集めた寿命や体格が多様な15種類の齧歯動物を包括的に解析し、テロメラーゼ活性と寿命や体格に共進化が認められるかどうかを調査した結果が発表されています。この調査の結果、意外な事にテロメラーゼ活性と寿命には関連が認められませんでした。一方、テロメラーゼ活性と体格に明らかな相関が認められました。すなわち大きなげっ歯類ほど、体細胞でのテロメラーゼ活性が抑制されていました。この結果から、長寿ではなく大きな体格が癌のリスク上昇と関連し、大きな動物は癌のリスクを回避するためにテロメラーゼ活性を抑制するように進化してきたのかもしれません。 |
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テロメア機能不全によってウェルナー症候群のゲノム不安定化が生じる |
2007-02-09 稀な早老疾患・ウェルナー症候群(Werner syndrome、WS)はRecQヘリカーゼ・WRNをコードしている遺伝子の変異によって発現します。老化徴候に加えて、ウェルナー症候群では顕著なゲノム不安定化と癌の発現上昇が認められます。テロメア機能不全がウェルナー症候群の老化表現型に関与することを示唆するエビデンスが報告されていますが、ウェルナー症候群の細胞に認められるゲノム不安定化の起源や癌の発現亢進の理由は分かっていません。これまでの研究でDNA複製時の大幅なテロメア損失防止にWRNヘリカーゼ活性が必要と示唆されています。新たな実験の結果、ウェルナー症候群の線維芽細胞に認められる染色体融合に複製に関連したテロメア損失が加担していると分かりました。また、有糸分裂中期の解析から、テロメラーゼによるテロメアの伸長によりWRN欠損細胞における新たな染色体異常の出現が有意に減少すると分かりました。この現象は、ウェルナー症候群細胞にWRNを補充したときの現象とよく似ています。この結果から、テロメア機能障害によってウェルナー症候群細胞におけるゲノム不安定化が生じていると示唆されました。この結果により、ウェルナー症候群における染色体末端維持と染色体異常が紐付けられました。 |
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HIV |
HIVの感染を防ぐ口内バクテリアがみつかった |
2004-05-26 20:50:46 口の中に生息しているLactobaccillusというバクテリアはHIVの殻の糖鎖に結合してHIVが免疫細胞に感染するのを防ぐ作用があるとわかりました。またLactobaccillusは免疫細胞上の糖鎖にも結合する能力があることが確認されています。この作用を応用すれば、HIVに感染した免疫細胞が他の免疫細胞にHIVを広げてしまうことを予防できるかもしれません。American Society for Microbiologyの2004年年次総会で発表された研究成果です。‥> News Source Mouth Bacteria Can Fight HIV / Health Day
http://www.healthday.com/view.cfm?id=519112 |
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H I V感染者、2割がC型肝炎にも感染・厚労省 |
日本国内のエイズウイルス( H I V )感染者の5人に1人がC型肝炎ウイルス( H C V )にも感染し、特に血液製剤による薬害エイズの被害者はほぼ全員が重複感染していることが28
日までに、厚生労働省研究班の全国調査で分かった。
治療法の進歩でエイズ発症を抑えられるようになった結果、薬害被害者の死亡原因の半数以上を肝硬変などの肝疾患が占めるとのデータもある。研究班主任の小池和彦・東大医学部教授は「重複感染者は肝炎が急速に悪化する。H I Vだけ注目して肝炎を軽視することなく、治療法を全国に周知して対策を急ぐべきだ」と警告している。[
2004 年11 月29 日/日本経済新聞 朝刊] |
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HIVを食べる無害乳酸菌 |
2005-04-20 17:21:52 HIVの表面に存在する糖・マンノースを栄養とし、HIVの感染を防ぐ2種類の無害乳酸菌が人の口腔・膣から同定されました。University of IllinoisのLin Tao等がAmerican Society for Microbiology Beneficial Microbesの学会で発表した研究成果です。もしこの無害乳酸菌が実用化されれば、ワクチンなどとは違って安価にHIV感染を防げるようになるかもしれません。 ‥>
News Source Friendly bacteria in
humans may protect against HIV / MedicalNews |
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バルプロ酸は潜伏感染したHIVを除去する |
2005-08-15 00:00:00 てんかんや不安症などに使用される気分安定薬・バルプロ酸は潜伏感染したHIVを除去できる可能性があると分かりました。ヒストン脱アセチル化酵素1(HDAC1)という酵素がHIVの潜伏感染を補助しています。バルプロ酸はHDAC1を阻害する作用があります。そこで研究者等は、カクテル療法(highly-active antiretroviral therapy、HAART)を受けているHIV感染患者4人でバルプロ酸の効果を検証してみました。4人には、バルプロ酸を投与する前にenfuvirtide 90 μgを1日2回4-6週間投与し、予めHIV感染拡大を防ぎました。その後バルプロ酸500-750mgを1日2回3ヶ月間投与してCD4+T細胞での潜伏感染の低下を調べました。その結果、バルプロ酸を投与した4人中3人でCD4+T細胞の潜伏感染が有意に低下しました。潜伏感染の割合の低下率はおよそ75%でした。 Depletion of latent HIV-1 infection in
vivo: a proof-of-concept study. Lancet. Volume 366, Issue 9485 , 13 August
2005-19 August 2005, Pages 549-555 |
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HIV感染患者では結腸新生物が検出される割合が高い |
Use of Flexible Sigmoidoscopy to
Screen for Colorectal Cancer in HIV-Infected Patients 50 Years of Age and
Older Arch Intern Med 2006;166 1626-1631
この文献は、HIV陽性患者165人を含む2382人を対象にして、HIV感染患者における結腸新生物のリスクを評価した試験の結果を報告しています。試験の結果、非HIV感染患者に比べてHIV感染患者の方が軟性S状結腸鏡検査で結腸新生物が検出される割合が高いと分かりました。HIV感染患者に結腸直腸癌スクリーニングを勧めるべきと考えられました。 |
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HIV感染患者における肝臓に関連した死亡の頻度とそのリスクファクター |
肝臓疾患の合併症が原因となって、コンビネーション抗レトロウイルス療法にアクセスできるHIV感染患者において死亡が増えています。この文献は、Data Collection on Adverse Events of Anti-HIV Drugs試験のデータを解析し、HIV感染患者における肝臓に関連した死亡の頻度とそのリスクファクターを調査した結果を報告しています。この研究の結果から、肝臓に関連した死亡が、AIDSに関連しない死亡の最多原因であると分かりました。また、肝臓に関連した死亡と免疫不全に強力な相関が認められました。 |
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ニューヨークのHIV感染患者のおよそ4分の1はHIV感染以外の死因で死亡している |
2006-09-22 HAART(Highly
Active Anti-retroviral Therapy、強力な抗HIV療法)が普及した中で、HIV感染者の死亡がどのように変化したかを調べた研究成果が内科の医学誌に発表されています。この研究では、HIVに感染した13歳以上のニューヨーク市民68,669人の死因などを調査しました。この結果、1999-2004年に死亡したHIV感染者のうち26.3%はHIV以外の理由で死亡していました。この割合は1999年から32%上昇しています。1999年においてHIV以外の原因で死亡したHIV感染患者は19.8%でした。年齢で調節した死亡は、HIVが死因の場合には毎年1万人あたり49.6人づつ減少しました。一方HIV以外の状態が死因であった場合には毎年1万人あたり僅か7.5人づつしか減少しませんでした。HIV以外の死因の主な内訳は、薬物乱用が31%、心血管疾患が24%、HIVに無関係な癌が20%となっていました。男性とセックスする男性に比べて、注射薬物使用者ではHIVに関連した死亡の有意なリスク上昇が認められました。以上2006年9月19日のAnn Intern Med誌に発表された研究成果です。 |
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喫煙はHIV感染リスクを上昇させる |
2006-09-26 HIVセロコンバージョンやAIDSへの進展に関する喫煙の影響を調査した試験報告を系統レビューした結果、喫煙はHIV感染リスクを上昇させる可能性があると分かりました。レビューの結果、HIVセロコンバージョンを転帰として調べている6試験のうちの5試験において喫煙は独立したリスクファクターであるという結果となっていました。一方AIDSの発現をエンドポイントしている10試験のうち9試験では、喫煙とAIDSへの進展に関連は認められませんでした。この結果から喫煙はHIV感染のリスクファクターであると示唆されました。2006年8月21日のSex
Transm Infect誌に発表された研究成果です。 |
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HIVウイルスが感染したヘルパーT細胞がキラーT細胞に攻撃されない理由 |
HIVウイルスはgp120というタンパク質をCXCR4という受容体に結合させてヘルパーT細胞に侵入します。2004年5月のJ Virol誌に発表された研究成果から、CXCR4受容体に結合したgp120は濃度によってHIVに対する細胞毒性T細胞を遠ざけたり引付けたりするとわかりました。CXCR4受容体に結合したgp120の濃度が高いと免疫T細胞は近寄ってこず、濃度が低いと免疫T細胞が集まってくるとわかりました。今回の発見は、HIVウイルスが感染したヘルパーT細胞が細胞毒性T細胞の攻撃をかわすメカニズムの一つと考えられました。 |
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ヒマワリからHIV感染治療薬 |
2006-01-11 00:00:00 ボン大学の研究者等が、HIVウイルスのインテグレースを妨害してHIVの複製を阻害する化合物がヒマワリに存在することを突き止めました。その化合物の名前をDicaffeoyl quinic acid(DCQA)といいます。HIV複製に対するDCQAの効果は細胞実験の段階です。今後臨床試験でその有効性を調べていく必要があります。 また、DCQAは植物から微量しか採取できないため、大量生産方法を確立する必要があります。 |
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HIV感染患者と臓器移植患者では、感染に関連した広範囲な癌種の発現リスクが共に高い |
2007-07-07 -
新たなメタ解析の結果、HIV感染患者と臓器移植を受けた患者は感染に関連した広範囲な癌種の発現リスク上昇を共有していると分かりました。Biotoday |
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レトロウイルスのZnフィンガータンパク質とDNAの相互作用を阻害する新しい方法 |
2006-05-31 HIVの増殖に寄与するジンクフィンガータンパク質・HIV NCp7のジンクフィンガーペプチドから亜鉛を引き離し、ペプチドの三次構造を失わせる白金-核酸塩基化合物に関する研究成果がChem Biol誌に発表されています。この白金-核酸塩基化合物はNCp7とDNAの相互作用をターゲットとしています。このようなNCp7とDNAの相互作用をターゲットにした薬剤は、ジンクフィンガーそのものを化学攻撃するようにデザインされた求電子物質よりも概念的に優れていると考えられました。この研究で明らかになった仕組みを用いれば、シスプラチンなどの細胞毒性製剤とは異なる働きで特定の生物プロセスをターゲットにする新しい白金製剤が開発できるかもしれません。 |
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HIV感染患者は急性心筋梗塞を起こすリスクが高い |
2007-04-25 -
新たな試験において、HIV感染と急性心筋梗塞リスク上昇が関連することが確認されました。Biotoday |
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EGFR |
EGFRを発現している乳癌女性は生存期間が短い |
2004-01-06 18:08:38 1989年から1996年に蓄積した乳癌のサンプル82人分を解析したところ「epidermal growth factor receptor(FGFR)を発現している乳癌女性は死亡率が高い」という結果となりました。 University of Texas M.D. Anderson Cancer Centerの研究者等がSan Antonio Breast Cancer
Symposiumで発表した研究成果です。
82人中14人(16%)でEGFRが発現していました。EGFRが発現している女性の9年間生存率は43%、EGFRを発現していない女性では60%でした。 |
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抗がん剤イレッサ、効き目は遺伝子の変異で差 日米調査 |
副作用で多数の死者を出した肺がん用抗がん剤イレッサ(一般名ゲフィチニブ)が効く患者は、EGFRと呼ばれる遺伝子で突然変異を起こしている場合が多いことが分かった。名古屋市立大の藤井義敬教授ら日米の研究チームが29日付の米科学誌サイエンス(電子版)で発表する。患者の体質に応じて薬を選ぶオーダーメード医療の実現に一歩近づきそうだ。藤井教授は「イレッサが効く肺がんを、EGFR遺伝子の異常を調べることで予測できる可能性がある。効果が低いと思われる患者への投与を避けることが可能になれば、オーダーメード医療のいいきっかけとなる」と話している。 (2004/04/30) |
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非喫煙者の肺ガンに関係する遺伝子変異 |
2004-08-24 16:28:55 喫煙経験の無い非小細胞肺癌のサンプル15個と喫煙者の非小細胞肺ガンのサンプル81個を比較した結果、喫煙経験のない非小細胞肺ガンではepidermal growth factor receptor (EFGR) の遺伝子変異が多く認められるとわかりました。Health Dayによると、研究成果はPNAS誌に発表される予定です。 + Gene Tied to Lung Cancer in Nonsmokers / Health Day
‥> Reference PNAS
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COX-2とEGFRが有望な標的に併用療法の腫瘍抑制効果を追究 |
〔ニューヨーク〕 コーネル大学Weill医学部(ニューヨーク州イサカ)のAndrew J. Dannenberg博士らは,シクロオキシゲナーゼ(COX)-2と上皮増殖因子受容体(EGFR)を標的とした併用療法による腫瘍形成抑制効果の理論的根拠を追究した総説をJournal of Clinical Oncology(2005; 23: 254-266)に発表した。 |
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イレッサが効く人には、イレッサの標的≠ノなっている上皮成長因子受容体(EGFR)の遺伝子配列に変異がある |
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EGFR阻害剤の効果、グリオブラストーマ患者で数十倍の個人差、変異型受容体とがん化抑制酵素のペア発現がカギ |
肺がん治療に用いられている、上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤のエルロチニブやゲフィチニブは一部の患者だけに効果を発揮することが知られている。最も悪性度が高い脳腫瘍であるグリオブラストーマ(膠芽腫)患者にもこれらの薬剤が有効な症例が見られるが、変異型受容体とがん抑制酵素の2つを持っているかどうかで、効き目に大きな差がつくことが明らかになった。米California大学Los Angeles校のIngo K. Mellinghoff氏らの研究で、詳細はNew England Journal of Medicine(NEJM)誌2005年11月10日号に報告された。 |
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VEGF |
癌の血管新生のスイッチ |
2004-11-01 16:51:37 通常VEGFは血管新生を促進しますが、VEGFのスプライシングバリアントの一つであるVEGF165bは血管新生を阻害すると分かりました。2004年11月1日のCancer
Research誌に発表された研究成果です。VEGF受容体に結合し、VEGF165はVEGF受容体を起点としたシグナル伝達を活性化します。しかしVEGF165bはVEGF受容体に結合するものの、その後のシグナル伝達を惹起しませんでした。また、VEGF165を発現している腫瘍細胞よりもVEGF165bを発現している腫瘍細胞の方が増殖が遅く、VEGFの発現がVEGF165からVEGF165bに移行すると腫瘍の増殖が抑制されると分かりました。この結果から、スプライシングによるVEGF発現調節が、抗血管新生と血管新生促進を決めるスイッチの役割を担っていると考えられました。 |
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アルコールは血管新生を促進して癌を引き起こす |
2004-12-15 09:06:09 100年以上前からアルコール摂取は食道、胃、肝臓、乳癌等のリスクを高めることが知られていました。しかしそのメカニズムは分かっていませんでした。ニワトリの胚を用いた実験から、アルコールは癌の血管新生を促進するVEGFの発現を促進すると分かりました。2004年12月13日のCancer誌に発表された研究成果です。VEGFレベルを上昇させるとともに、アルコールは腫瘍サイズを大きくして血管新生を促進しました。この結果から、VEGF発現レベル亢進による血管新生促進が、アルコールの癌化促進作用のメカニズムの一つと考えられました。 |
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乳癌細胞はFGF2とVEGFを分泌して幹細胞を腫瘍部分におびきよせる |
2005-06-09 00:00:00 乳癌細胞は、FGF2とVEGFを分泌して幹細胞を腫瘍部分におびきよせ、腫瘍の増殖を増長すると分かりました。 Medical College of GeorgiaのAdam Perry等による研究成果です。FGF2とVEGFをブロックすると、癌細胞への幹細胞の移動が低下しました。第1世代の分子標的抗癌剤は癌細胞の増殖を直接阻害することを目的に開発されました。今後は、FGF2とVEGFをブロックして幹細胞の集合を防ぐような癌細胞と他の細胞のコミュニケーションを阻害する薬剤も開発されていくでしょう。 Breast Cancer Uses Growth Factors to Lure Stem Cells / Press
Release |
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VEGFを分泌することで幹細胞様グリオーマ細胞は血管新生を促進する |
2006-08-16 医学誌に発表された研究成果から、vascular
endothelial growth factor (VEGF) を分泌することで幹細胞様グリオーマ細胞(stem celllike
glioma cell、SCLGC)は血管新生を促進すると分かりました。SCLGC由来の移植癌に抗VEGF抗体・Avastin(bevacizumab)を投与するとSCLGCによる血管新生と腫瘍増殖が抑制されました。この結果から、SCLGCは癌の主要な血管新生促進因子の源泉となっており、SCLGCから分泌される血管新生促進因子を標的とすることが癌治療では重要と考えられました。2006年8月15日のCancer Research誌に発表された研究成果です。 |
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VEGFレベルはGI神経内分泌腫瘍の予測に関連 |
ニューヨーク(ロイターヘルス)‐低グレードの胃腸管神経内分泌腫瘍患者では、血管内皮増殖因子(VEGF)の高度発現は血管形成の増加と無増悪生存率の抑制と関連している。
University of Texas M. D. Anderson Cancer Center(ヒューストン)のDr. James C. YaoらはCancer誌の4月15日号で、こうした腫瘍は広範な悪性度を示すと報告した。こうした腫瘍の発症と進展にVEGF 発現が果たすと思われる役割は、未だにはっきりしない。 さらに調査を進めるため、同研究者らは様々な胃腸管神経内分泌腫瘍の患者50名から得た手術検体を用いて、発現パターンを検討した。内訳は、島細胞検体が15個とカルチノイド検体が35個であった。
腫瘍細胞では強力なVEGF 発現が検出されたが、腫瘍周辺または周囲のストローマ細胞にはほとんど、あるいはまったく検出されなかった。VEGF 発現のレベルは、転写因子Sp1および微小血管密度の発現レベルに直接関連していた。 強力な発現は患者の32%にみられ、54%は弱い発現であり、残りの14%はまったく検出されなかった。陰性発現であった患者と比較して、VEGF が検出された患者は、転移リスクが有意に高値であった(14%対56%)。 50ヶ月間(中央値)の追跡期間中では、陰性発現であった患者では無増悪生存期間の中央値は得られなかったが、強力発現の患者では29ヶ月、弱い発現の患者では81ヶ月であった。 さらなる研究では、VEGF を標的とするモノクローナル抗体ベバシズマブは、in vitroカロチノイド細胞の増殖を阻害しないことが示された。しかしながら、マウスでは腫瘍の血管形成は有意に抑制され、腫瘍増殖が障害された。 こうしたデータから、「VEGF の過剰発現は、血管形成のアップレギュレーションを介することを一因として、ヒトの神経内分泌腫瘍の増殖を促進することが示された」と、同研究者らは結論付けている。 Cancer
2007;109:1478-1486 |
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アルツハイマー病のリスクを高めるVEGFプロモーター領域のポリモルフィズム |
2005-03-21 15:24:49 アルツハイマー病患者249人と健常人347人のVEGF遺伝子プロモーター領域の比較で、-2578A/Aというポリモルフィズムを有する人はアルツハイマー病のリスクが高くなるという結果となりました。 2005年3月のAnn Neurol誌に発表された研究成果です。この結果から、VEGFは神経変性プロセスにおいて生物学的な何らかの役割を担っていると考えられました。 |
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VEGFやVEGF受容体を阻害すると敗血症に伴う疾患や死を抑制できる |
2006-05-24 敗血症の動物・ヒトモデルを用いた実験から、敗血症とVEGFの血液循環レベルに相関が認められ、VEGFやVEGF受容体を阻害すると敗血症に伴う疾患や死を抑制できると分かりました。この研究成果は、Journal of Experimental Medicineのオンラインバージョンに発表されています。この研究成果から、VEGFは敗血症の病態生理において特定の役割を有していると考えられました。昨年12月のShock誌には、敗血症ショックの最初の48時間にVEGFレベルが亢進することを示した報告が発表されています。 |
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血管ができないしくみ あるタンパク質が,角膜での新しい血管の形成をおさえるようだ |
角膜には血管がない。そのおかげで私たちは,血管に邪魔されることなく物を見ることができる。実は角膜には,新しい血管の形成(血管新生)を促進する「VEGF」というタンパク質が存在する。これまで,角膜で血管ができないしくみは,解明されていなかった。
アメリカ,ジョージア&オーガスタ復員軍人メディカルセンター医科大学のアンバティ博士らは,VEGFと結合する「sflt-1」という可溶性のタンパク質が,角膜でつくられていることを発見した。マウスで,VEGFとsflt-1の結合を抑制すると,角膜でも血管がつくられることが示された。角膜に血管をもつ唯一の生物であるマナティや,角膜にも血管ができる突然変異をもつマウスは,sflt-1をつくっていないという。このマウスにsflt-1をあたえると,角膜における血管新生が抑制されることが明らかになった。この結果は,がんなどの治療において,血管新生の調節に応用できる,と博士らは考えている。 |
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アスベスト |
アスベストが原因のがん、労災認定1.6倍に03年度 |
仕事でアスベスト(石綿)を吸い込んだことが原因でがんになったと認定された人は03年度で121人と、前年度の1.6倍に急増したことが厚生労働省のまとめでわかった。職業がんの労災認定141人の86%を占めており、石綿による健康被害の深刻さが浮き彫りになった。 121人の内訳は、肺がんが38人で、がんの一種である中皮腫が83人だった。 |
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アスベスト:健診の周辺住民17%が石綿病変−−奈良のニチアス工場 |
アスベスト(石綿)製品を作っていた耐火材メーカー「ニチアス」(本社・東京都)の王寺工場(奈良県王寺町)と子会社の「竜田工業」(同県斑鳩町)が実施した健康診断で、受診した周辺住民202人のうち約17%にあたる35人が、石綿を吸ったことで現れる病変「胸膜肥厚斑」や石綿疾患の「肺線維症」と診断されたことが分かった。 健診を担当した国立病院機構奈良医療センターの田村猛夏副院長(呼吸器内科)らが6月2日、都内で開かれる日本呼吸器学会で発表する。 住民説明会などで呼びかけ、05年7月末ごろから実施。同年末までに▽両社の元従業員496人▽従業員の家族76人▽出入り業者13人▽周辺住民202人の計787人が受診した。 このうち612人が再検査を受けた。石綿の職業歴が確認されていない周辺住民では35人に「胸膜肥厚斑」があり、うち1人は大量に石綿を吸って肺の組織が硬くなり呼吸しづらくなる「肺線維症」になっていた。【曽根田和久】毎日新聞 2006年5月23日 東京朝刊 |
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アスベスト吸引は喉頭癌を引き起こす |
2006-07-03
アスベストは中皮腫や肺癌を引き起こします。また、非悪性の呼吸器疾患も引き起こします。今回、アメリカのInstitute of
Medicineがアスベストと他の癌の関連を調べた結果、アスベスト吸入と喉頭癌にも因果関係があると分かりました。その他に、咽頭癌、胃癌、結腸直腸癌もアスベストと関連を有する可能性があると分かりました。このレポートはInstitute
of Medicineで手に入れることができます(Asbestos: Selected Cancers)。 |
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中皮腫で教員3人死亡 学会で報告、勤務校の石綿原因か |
アスベスト(石綿)が原因とみられる中皮腫で学校の教員3人が死亡していたことが分かった。大阪市であった日本産業衛生学会で27日、石綿問題に取り組む名取雄司医師らが発表した。学校で石綿が大量に使われたのは60〜70年代。中皮腫の潜伏期間は30〜40年とされることから、名取医師は「教員が発症する時期を迎えている。60〜70年代に児童だった人らの今後の発症も懸念される」と話している。(04/28) Asahi.Com
※中皮腫のマーカーとしてのRCSはGRP(Gastrin Releasing Peptide)とOsteopontineが感度が高く、近々、送られてくるAcupuncture &
Electro-therapeutics Research, Int. Journalに大村恵昭先生の論文が掲載されています。 |
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Osteopontin |
Osteopontin(オステオポンチン)の血漿中濃度測定でアスベストによる胸膜中皮腫の早期診断が可能となるかもしれない |
2005-10-16 00:00:00 様々な機能を有するマトリックスタンパク質・Osteopontin(オステオポンチン)の血漿中濃度で、アスベストに暴露して胸膜中皮腫になった患者とアスベストに暴露したが胸膜中皮腫ではない患者を見分けることが出来るとわかりました。アスベスト吸引による胸膜中皮腫は稀な癌ですが、非常に致死性の高い癌です。というのも、多くの場合、治療が無効なステージで発見されることが多いからです。診断後の平均余命は8-18ヶ月です。 ただし、早期発見すると生存期間が延びるかどうかはよく分かっていません。今後、早期発見で生存期間が延びるかどうかを調べる必要があります。もし早期発見と生存期間延長が関連しているとすれば、オステオポンチンによる胸膜中皮腫の診断が非常に重要視されることになるでしょう。 Asbestos Exposure, Pleural Mesothelioma, and Serum
Osteopontin Levels. Volume 353:1564-1573 October 13, 2005 Number 15 |
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高い血漿オステオポンチン濃度は胃癌と関係 |
ニューヨーク(ロイターヘルス)‐台湾の研究者らはGut誌6月号に、血漿オステオポンチン濃度上昇は胃癌の発現および低い生存率と有意に関係すると報告している。
National Taiwan University Hospital(台北)のDr. Jaw-Town Linらは、オステオポンチン濃度は多くの悪性疾患と関係すると述べ、胃癌との関係があるか否かを調査した。 逆ポリメラーゼ連鎖反応および免疫組織学的染色を用いて、同博士らは11名の胃癌標本における血漿オステオポンチン発現を測定した。 「胃癌組織におけるオステオポンチンmRNAの発現は非腫瘍組織と比べて有意に高かった」と、Dr. Linは報告している。 同研究者らは胃癌患者132名および健常対照93名の血漿オステオポンチン濃度も分析し、濃度の中央値は対照より患者の方が有意に高かったことを認めた。 「オステオポンチンはマーカーであるだけでなく、胃癌侵襲において不可欠な役割を果たすオステオポンチン-uPA-MMP信号伝達経路の上流分子でもある」と、Dr. Linはロイターヘルスに語った。「In vitro試験において、オステオポンチンは胃癌細胞侵襲を誘発する」 さらに、高いオステオポンチン濃度は進行した病期、リンパ節侵襲、および肝転移と有意に関係した。 特に、67.3ng/mLのカットオフ値において、胃癌の検出に対して、血漿オステオポンチンの感度は58.3%、特異度は69.9%であるとDr. Linは述べた。胃癌のリンパ節転移の検出については、73.0ng/mLのカットオフ値で血漿オステオポンチンの感度は65.1%、特異度は65.3%であり、胃癌の肝転移については、111.2ng/mLのカットオフ値で感度は87.5%、特異度は83.1%である。 「病期の異なる胃癌に対するオステオポンチンの診断価値を検討するために、我々は地域集団および前癌病変(萎縮性胃炎および腸上皮化生)のある患者ならびに他の高リスク集団において研究を行っている」と、Dr. Lin付け加えた。 Gut 2007;56:782-789. |
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Ki-67 |
Ki-67という物質が多い人は前立腺ガン治療後の予後が悪い Ki-67 |
2003-10-29 00:00:00
Ki-67という物質が多い人は前立腺ガン治療後の予後が悪いとわかりました。Ki-67が多いほど前立腺ガンは活動的であるという結果となりました。この結果からKi-67の量を調べることは、治療後に前立腺ガンが再発するリスクや死亡するリスクを推定し、対処方法をあらかじめ知ることができるという。 |
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〜大腸カルチノイド腫瘍〜 転移関連因子や治療の考え方に施設差 |
福岡大学筑紫病院病理部の原岡誠司氏らは「直腸カルチノイドの転移性の指標としては,腫瘍径,深達度,表面性状(中心陥凹または潰瘍形成),核分裂像,脈管侵襲,Ki-67指数およびp53陽性所見が重要」と結論した。Ki-67指数については,癌研究会研究所病理部の佐々木恵子氏らも検討した。その結果,腫瘍径11mm以上,深達度MP以深,静脈侵襲陽性およびKi-67指数4.1%以上のものは転移性カルチノイド腫瘍,5 mm以下,深達度M,Ki-67指数2.0%以下のものは非転移性カルチノイド腫瘍と考えられるとした |
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HPV |
パピローマウイルス検査の方が子宮頸癌検出率が高い HPV16, HPV18 |
2004-02-26 23:34:51 これまでに実施された臨床試験結果をメタアナリシスしたところ「ヒトパピローマウイルス(HPV)検査の方がパップスミア検査よりも子宮頸癌の前駆状態である高度子宮頸部上皮内腫瘍(CIN2)有無を正確に診断できる」とわかりました。2004年2月18日のJournal
of the National Cancer Institute誌に発表された研究成果です。研究者等が解析したのは、最近発売されたHybrid Capture II assayというHPV検出アッセイを用いた試験のみです。Hybrid Capture II assayはDigene社が開発しました。HPV検出アッセイでのCIN2以上の腫瘍同定率は94.8%、パップスミアは81.8%でした。 |
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癌とウイルス |
2003-12-24 06:05:01 ヒトパピローマウイルス(human papillomavirus、HPV)、肝炎ウイルスと癌の発病の関係が調べられています。子宮頸癌の99%にHPVは関与していますが、最近の研究で頭頸部癌、扁桃癌、肛門癌等の発病にも関与している可能性が示唆されています。全世界での癌のうちおよそ15%がHPVの発現によると研究者等は考えています。 ※BDORTでも大腸癌でHPVが反応します。1976年から1995年に肝癌の発現件数は71%という急激な上昇を示しましたが、研究者等はこの上昇の一端はウイルス感染にあると考えています。発展途上国での肝癌の80%以上はB型肝炎ウイルスが原因とされています。一方先進国での肝癌の多くは薬物の静脈注射、輸血、性交渉などで感染したC型肝炎ウイルスが原因です。 |
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オーラルセックスはHPV感染によって口腔癌を引き起こす危険がある |
004-03-06 18:03:25 口腔癌患者1670人と健常人1732人の比較で「オーラルセックスはパピローマウイルス(papilloma
virus、HPV)の感染を通じて口腔・中咽頭癌のリスクを高める危険がある」という結果となりました。HPV16というタイプのHPVが最も多く検出されました。 |
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扁平上皮癌にはヒトパピローマウイルス(HPV)が関与しているかもしれない |
2006-03-17 00:00:00 皮膚癌の一種・扁平上皮癌(SCC)患者252人、基底細胞癌(BCC)患者525人、コントロール患者461人を対象にした調査の結果、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染とSCCの関連が示唆されました。 調査の結果、コントロールに比べてSCC患者の方においてHPVに対する抗体が血漿中から検出される割合が高くなっていました(オッズ比=1.8、95%CI 1-3.1)。種類別に調査したところ、16種類のHPV
のうち、βタイプのHPV
とSCCに関連が認められ、特にHPVのタイプ5とSCCのリスクに高い相関が認められました(オッズ比:1.8, 95% CI=1.0-3.1)。 SCCとは異なり、BCCとHPV に関連は認められませんでした。 |
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ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染している女性は体外受精で妊娠しにくい |
2006-09-23 体外受精(IVF)を受ける女性106人を対象にした調査の結果、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染している女性は体外受精で妊娠しにくいと示唆されました。106人の女性のうち17人にHPVが検出されました。HPV陽性女性の体外受精による妊娠率は23.5%(4/17)であり、HPVに感染していない女性の体外受精による妊娠率は57%(51/89)でした(P<.02)。2006年9月のFertil
Steril誌に発表された研究成果です。 |
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性感染で乳癌が起きることがあるかもしれない |
2006-12-17 オーストラリアのパースに住む乳癌女性50人の腫瘍のDNAを検査したところ、およそ半数の乳房から高リスクなヒトパピローマウイルスが検出されました。ヒトパピローマウイルスは性行為などで感染し、子宮頸癌を引き起こすウイルスとして知られています。今後ヒトパピローマウイルスと乳癌の関連を調べていく必要があります。もしヒトパピローマウイルスが乳癌を引き起こすとすれば、一部の乳癌はヒトパピローマウイルスワクチンで予防できる可能性があります。 |
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海外の主要医学誌から Journal
Scan 米国人女性の4人に1人以上がHPVに感染 |
米国人女性は 4 人に 1 人以上の割合で,子宮頸癌の主要原因の 1 つとされるヒトパピローマウイルス(HPV)に感染していることが明らかになったと,米疾病管理センター(CDC)のグループがJAMAの
2 月28日号に発表した。この感染率は以前の推定値を上回るものだという。米国国民健康栄養調査に参加した14〜59歳の女性を対象にHPV感染状況を調べたところ,全体の感染率は26.8%であった。年代別では20歳代前半(20〜24歳)の女性が最も感染率が高く,2 人に 1
人弱の割合(44.8%)だった。14〜19歳の感染率は24.5%。感染率は14〜24歳まで
1 歳ごとに有意に上昇し,以後59歳まで徐々に低下する傾向が見られた。米国で使用されているHPVワクチンがカバーする 4 種類のHPVタイプ( 6,11,16,18型)のうち,特に高リスクであるHPV-16型と18型の感染率はそれぞれ1.5%,0.8%だった。 Dunne EF, et al. JAMA 2007;
297: 813-819. |
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HPV感染症は頭頸部癌と関わっている |
ニューヨーク(ロイターヘルス)‐ヒトパピローマウイルス(HPV)16血清反応陽性の集団は頭頸部扁平上皮細胞癌(HNSCC)のリスクが高くなる一方、このような集団はHNSCC患者群のなかではHPV血清反応陰性の患者群よりも生存率が高いことが示されている。 「我々の研究は、HPV16陽性HNSCCはこの疾患の異型のひとつであるという新たに浮上したデータを裏づけている」と、主著者であるHarvard UniversityのDr. Karl T. Kelseyはロイターヘルスに語った。「このことは、(HPV )ワクチンがHNSCC患者群のなかでは男性群の方が女性群よりも広く使用されていることを絶対的に裏づけている」 Dr. Kelseyらは、ボストンの各施設で特発的なHNSCC患者486名および対応対照群550名について、症例対照試験を実施した。研究者らは、この所見をInternational
Journal of Cancer誌6月1日号で報告している。 被験者らは、HPV16L1タンパクについて検査を受けた。患者の腫瘍についてはHPV 16 DNAを評価した。HPV 血清反応陽性の患者群は口腔癌のリスクが1.5倍高値であったほか、咽頭腫瘍のリスクが6倍高値であった。 HPV 16力価、HPV 16 DNAとHNSCCのリスクの増大との間には用量反応相関が認められた。 HPV 16
DNAおよびHPV 血清反応陽性は性活動と有意に相関していた。口腔性行為のパートナーが10名以上いる場合のオッズ比は、HPV 16 DNA保有群が12.8であり、HPV 血清反応陽性群が3.7であった。生涯の性的パートナーの数が多い場合には、HPV 16 DNA保有群およびHPV 血清反応陽性群のオッズ比はそれぞれ4.5および3.2であった。 しかし、HPV 血清反応陽性群の危険率が0.4であり、HPV
16 DNA保有群の危険率が0.5であることは、「この癌患者集団のなかではHPV 反応陽性群の生存率が良好であることを示している」と、この研究者らは記している。 研究者らは、「さらに我々の所見は、HPV が口腔で性感染するほか、HPV DNAおよび血清学的陽性腫瘍が患者全体の高い生存率の原因になっていることを示唆している」と、付け加えた。 Int J Cancer 2007;120:2386-2392. |
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がんの25%はウイルス感染で起こる」と、子宮頸がん予防ワクチンの考案者が指摘 |
Copyright(c) Nikkei Business
Publications,Inc. All Rights Reserved HPVは皮膚や粘膜に感染するウイルスで、100種類以上の型があり、子宮頸がんや皮膚がん、鼻咽頭がん、肛門がんなどの原因になっていることが知られています。特に、子宮頸がんの患者の99.8%がHPVに感染していて、その7割は16型か18型のHPVによるものだといわれています。そこで、16型と18型のHPVへの感染を防ぐために開発されたのがHPVワクチンです。HPV は、DNAをL1とL2という2種類のたんぱく質で包んだ構造をしており、Frazer教授は1991年に、L1たんぱく質だけを大量に発現させると自然に凝集して殻だけでできたウイルス様粒子(VLP)を形成することを発見しました。HPV ワクチンはこのVLPを利用したものです。HPV 自体は培養方法が確立されていないので、Frazer教授の発見がなければHPVワクチンの開発はできなかったでしょう。ところで、Frazer教授の話の中で、一番印象に残ったのは、「がんの25%は感染が原因」という点でした。がんの原因になるウイルスとしては、HPV 以外にもC型肝炎ウイルス(HCV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、エプスタイン-バーウイルス(EBウイルス)などが知られています。ウイルス以外では、ヘリコバクター・ピロリが胃がんを引き起こすといわれています。こうした感染症が基になって発症するがんが、全体の4分の1に上るというのは驚きでした。逆に言うとがんの4分の1は、ワクチンによって克服できる可能性があるということです。 |
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PSA |
ホルモン療法へのPSAの反応性は死のリスクマーカーとなる |
手術・放射線療法後に前立腺癌が再発し、ホルモン療法を受けた患者1454人を対象にした試験から「ホルモン療法後すぐにPSAレベルがすぐに上昇し、ゆっくり下がっていく患者は、PSAレベルがゆっくり上昇しすぐに低下する患者より死のリスクが13倍高い」という結果となりました。 2004年4月7日のJ Natl Cancer Inst誌に発表された研究成果です。 この結果からホルモン療法に対するPSAの反応性が死のリスクのサロゲートマーカーになるとわかりました。 |
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PSAレベルが低いまま前立腺癌になる男性は少なくない |
2004-05-28 03:43:20 PSAレベルが4ng/mlを超える場合には前立腺癌の危険がありと判定され、生検が必要となります。 PSAレベルが4ng/ml以下の男性2950人を対象にした試験で、PSAレベルが4ng/ml以下でも15.2%は生検で前立腺癌であると判定されました。この結果から、PSAレベルが低いまま前立腺癌になる男性の割合は少なくないとわかりました。 2004年5月27日のNEJM誌に発表された研究成果です。 |
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前立腺がんPSA値急増、高死亡率 |
血液を調べる「PSA(前立腺特異抗原)」検査を定期的に受け、前立腺がんが見つかった人のうち、がんと診断される直前の1年以内に、PSA値が急上昇した人ほど、手術など治療後の経過が悪く、死亡率の高いことが、米国マサチューセッツ総合病院の研究で分かり、米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」で発表した。
PSA値の正常値は「4」以下で、「10」以上になるとがんの可能性が高いとされる。研究チームは、PSA検査が継続的に必要な約1000人を対象に、PSA値の変化と、がんと診断された後の治療経過などとの関係を調べた。
診断前1年間にPSA値が少なくとも2ポイント以上、上昇した場合、診断後7年間に、4人に1人が前立腺がんなどで死亡。数値の変化が2ポイント以下の人に比べ、10倍も死亡率が高かった。
研究チームは「PSA値が前立腺がんの発見だけでなく、がんの悪性度を知る上で重要な指標になることを示した最初の成果」としている。
(2004年8月2日 読売新聞 無断転載禁止) |
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肥満している人は、前立腺ガンのマーカーを盲信できない |
前立腺ガンの診断には、普通、血中の腫瘍マーカーである前立腺特異抗原(PSA)を測定する。この測定値が「4」(1ml当たり4ng)以下ならがんの心配はない。「4〜10」ならグレーゾーン、10以上でガンの可能性が非常に高くなる。ところが、テキサス大学健康科学センター(サンアントニオ)のイアン・トンプソン博士によると、肥満の人はPSA値が普通の人よりも低く表示されやすいという。例えば、肥満の人のPSA測定値が3と出ても安心はできない。本当は5なのかもしれないからだ。同博士らは、前立腺ガンのない男性2779人のPSAを測定し、各人のBMIとの関係を調べてみた。その結果、BMIが高い人ほどPSA値が低く表示される傾向がわかった。とくにBMIが40以上の人は、普通の人のPSA値より、3分の1ほども低く表示されたという |
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米厚生省:肝炎ウイルスも発がん物質 リストを改訂 |
米厚生省は1月31日、B型とC型の肝炎ウイルスを新たに発がん物質に指定する第11版の発がん物質報告書を発表した。改訂は約2年ぶり。 11版は58物質を「人への発がん性がある物質」、188物質をそれより1段階下の「人への発がん性が合理的に推定される物質」に指定した。新規指定は発がん物質が6、「推定」が11の計17物質で、トイレ消臭剤などに使われるナフタリンが、発がん性が合理的に推定される物質に新たに加えられた。 B、C型肝炎ウイルスの指定は、慢性的な感染が肝がんの原因になることがはっきりしたため。子宮頚(けい)がんの原因と認められたヒトパピローマウイルス(HPV)のほか、放射線のエックス線、ガンマ線、中性子線も発がん物質とされた。 推定物質はナフタリン、鉛と鉛化合物、インクに添加される硫酸コバルトなど。肉の焼け焦げに含まれるヘテロサイクリックアミンの仲間の3物質もリストアップされた。(ワシントン共同)毎日新聞 2005年2月1日 12時42分 |
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CA125 |
卵巣癌の早期診断が骨盤画像およびCA125により可能 |
ニューヨーク(ロイターヘルス)−卵巣癌に関連した症状の多くは、診断の数ヵ月以前に出現していることが研究により示され、適切な検査を実施すれば、これまでよりも診断が早期に可能となることが示唆されている。 Cancer誌10月1日号にこの研究チームは、自らの観察により「1集団としての卵巣癌の患者は、診断の6ヶ月以上前に症状により対照とは鑑別され得るとの客観的エビデンスが提供されている」と語っている。 University of California Davis Health System(サクラメント)のLloyd H. Smith博士らは、卵巣癌が認められた女性1,895名の診断に先がけ、症状のパターンと関連する診断検査とを記録した。同博士のチームは、乳癌の女性6,024名および癌に罹患していない女性10,941名に対し同じ調査を実施した。 Smith博士らによれば、卵巣癌の女性は、乳癌の女性および癌に罹患していない女性に比べ有意に多くの「標的症状」、特に腹部膨満および疼痛が診断の6ヶ月以上前に認められた。 さらに、腹部画像および骨盤画像/CA125は、卵巣癌の診断以前の3ヶ月以内にしばしば用いられる一方、診断の4〜36ヶ月以前にそのような試験が実施された患者は相対的に少なかったことを同博士らは報じている。 Smith博士は、卵巣癌の女性において「診断検査を受けた患者は通常、骨盤画像/CA125測定に比べ腹部画像または胃腸の手術が実施されていた」ことは注目に値すると語った。 「われわれの所見により、一般に4ヶ月以上診断が遅れている一部の患者では、卵巣癌がこれまでよりも早期に診断される可能性が示唆されている。この理由は、腹部画像および骨盤画像/CA125などの卵巣癌を診断できる可能性の高い検査を指示する前に、医師は腹部画像を指示するか、胃腸の手術を実施するためである」と同博士らは記している。 継続的かつ説明のつかない卵巣癌の標的症状を有する女性には、骨盤画像およびCA125によるスクリーニングを「考慮する必要がある」とSmith博士は語った。 Cancer
2005;104:1396-1407. |
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卵巣癌の早期発見に有用な3種類の血中バイオマーカー |
2005-01-10 19:15:09 卵巣癌患者195例、卵巣に良性腫瘍のある患者166例、健常女性142例の血中蛋白質発現プロフィールを比較した結果から、アポリポ蛋白A1、トランスサイレチンの断片、ITIH(inter-alpha-trypsin
inhibitor heavy chain H4)の断片の血中濃度を測定することで卵巣癌を早期発見できる可能性があると分かりました。2004年8月15日のCancer Res誌に発表された研究成果です。アポリポ蛋白質A1とトランスサイレチンの断片は癌でダウンレギュレーションしており、ITIHの断片は癌でアップレギュレーションしていました。 これら3つのバイオマーカーとこCA125を組み合わせることで卵巣癌を早期発見できると考えられました。 |
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心不全の予後マーカーとして認められたCA125高値 |
ニューヨーク(ロイターヘルス)‐卵巣癌およびその他数種類の新生物のバイオマーカーである糖鎖抗原125(CA125)は、急性心不全を来たした患者における6ヶ月死亡の独立予測変数でもある、とスペインの研究者たちがHeart誌の早期オンライン版に報告している。 急性心不全を来たして入院した一連の患者529名が、Dr.
Julio NunezらによりHospital
Clinico Universitaria(スペイン バレンシア)で評価された。血清中のCA 125の値が試験組み入れ時に測定され、それ以降の6ヶ月間の死亡と比較された。 血清中のCA 125の値は、患者の66%において35U/mlに設定されたカットオフ値を超えていた。追跡調査期間中に死亡89件が発生した(コホートの16.8%)。 「死亡とCA 125の4分位との間に肯定的な傾向」が存在した。心不全のリスクは最初の4分位において3.81%であり、2番目の4分位では15.2%、3番目の4分位では22%および4番目の4分位では26.5%であった。 最初の4分位と比較したハザード比は、2番目、3番目および4番目の4分位に対してそれぞれ3.25、4.91および8.41であった。 「われわれの知る限りでは、これは急性心不全発生後の死亡増大に対するCA 125の独立予測変数を明らかにした最初の試験である」と同研究者らはHeart誌の早期オンライン版に記している。 「このバイオマーカーは低価格、広範囲で入手可能かつ容易に測定できることから、この集団におけるリスクの層別化に対して現実的に用いられる可能性のあるツールである」とDr. Nunezらは述べている。しかし同研究者らは、将来の心血管イベントのリスクを予想するためにはこのマーカーの能力についてのさらなる試験が必要であると警告している。 Heart
2007;93:716-721. |
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p53 |
膀胱癌では高確率でp53またはp21遺伝子が変異している |
2004-04-04 09:48:22 膀胱癌患者80人を対象にした調査から「膀胱癌の83%でp53またはp21遺伝子の変異が認められる」という結果となりました。 2004年3月のJ Clin Oncol誌に発表された研究成果です。 特にp53の変異した割合が多く、ついでp21の遺伝子変異が続きました。 p53がDNAに結合するとp21というタンパク質の発現が亢進します。p21は細胞増殖に関わるタンパク質に結合して、細胞増殖を抑制します. |
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P53血清抗体検査による新しい癌検診〜ハイリスク症例の選別法として重要 |
近年多くの癌症例の血清中に抗p53抗体が検出されることが報告されている。日本医科大学第一外科学の宮下正夫助教授らは,このp53血清抗体検査による新しい癌検診について検討。「新しい癌検診のなかに,p53血清抗体のような非侵襲的なハイリスク症例の選別法を取り入れることが重要」との考えを示した。無症状の癌を診断 宮下助教授によると,これまでの諸家の報告からp53血清抗体の各種癌における陽性率は肺癌13〜62%,食道癌28〜60%,大腸癌25〜45%,乳癌12〜48%,肝癌13〜43%,卵巣癌25〜36%などとされており,早期癌でも陽性率は高く,前癌病変でも陽性を示すことがあるという。 |
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p53の機能亢進変異はへん平上皮癌の形成・進行・転移を促進する |
2007-07-04 -
新たな研究の結果、p53の機能亢進変異(gain-of-function)は皮膚癌の一種であるへん平上皮癌の形成・進行・転移を促進すると分かりました Biotoday |
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p53に直接作用し、p53による細胞周期停止を仲介する物質が同定された |
005-08-29 00:00:00 DNA損傷に反応してp53は、サイクリン依存性キナーゼ阻害物質・p21(Waf1/Cip1)の誘導を介して、G1細胞サイクルチェックポイントを活性化します。 ベルギーの研究者等によって、p53の新たな標的タンパク質・Ptprv (ESP)が同定されました。Ptprvは膜貫通チロシンキナーゼです。実験の結果からPtprvは、p53に直接作用し、p53による細胞周期停止を仲介すると考えられました。また、Ptprvを欠損すると、発癌物質暴露による表皮乳頭腫の形成が促進されました。このことから、Ptprvには癌形成を抑制する作用があると考えられました。 |
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p53機能を復活させると癌が縮小・消失する〜確立された腫瘍でもp53腫瘍抑作用には太刀打ちできない |
2007-01-29 p53機能を復活させると腫瘍が縮小・消失することを示した3つの報告が発表されています。p53の抗癌作用メカニズムは癌の種類によって異なると示唆されました。p53欠損リンパ腫でp53を回復させると急速にアポトーシスが誘導されました。一方、軟部組織の肉腫と肝細胞癌でp53を再活性化させると細胞老化の特徴を示す増殖停止が誘導されました。軟部組織の肉腫と肝細胞癌では細胞死を伴わない細胞老化と腫瘍縮小が関連しました。では細胞死が伴わないのに腫瘍が縮小するのは何故か?意外なことに、アポトーシスを伴わない老化腫瘍細胞の除去には免疫を介したメカニズムが関与していました。機能的なB細胞とT細胞を欠いたヌードマウスにおいてもこの腫瘍細胞除去が認められたことから、老化細胞による炎症性サイトカインの製造の結果として内因性免疫反応の活性化がもたらされることで腫瘍細胞が除去されると考えられました。今回の結果から、p53を薬理学的に再活性化することは癌の治療法として有用と考えられました。 |
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p53がIGF系と複雑に関連 |
多くの生物学的過程でも,景気が過熱も冷え込みもしない,ほどよい経済成長を指すゴルディロックスの原則が働く。何かを欲する場合,過剰であったり少なすぎたりすることなく,まさに適量を欲する。これは,体内で微妙な濃度となっている成長因子にも当てはまる。情報伝達蛋白質のIGF-Iが過剰になると発癌をあおることになり,逆に少なすぎると別の問題として低身長,認知症,骨粗鬆症が引き起こされる可能性がある。 2 種類の情報伝達経路の相互作用は,GHとIGF-I を患者に処方することの長期的なリスクに関する疑いを強めるもので,同時に将来の新しい癌療法への道を示唆するものとなる可能性がある。筆頭研究者のGrimberg博士は「細胞の増殖を停止させたり,細胞を自滅させたりする腫瘍抑制蛋白質のp53は,GH/IGF系の遺伝子にも作用して,IGF情報伝達を抑制することが既に知られていた。今回の研究から,p53がIGF結合蛋白質(IGFBP)-2の産生を増加させることが示されたが,これは今まで知られていなかった相互作用である」と述べている。IGFBP-2はIGF-I と結合して,この成長因子が身体組織に作用するのを妨げる。Medical Tribune [2007年2月22日 (VOL.40 NO.8) p.59] |
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TGF-b |
腫瘍細胞はTGF-betaを分泌することで調節T細胞を増やす |
2006-07-17 健常人に比べて、乳癌と膵癌患者の血中または腫瘍に繋がるリンパ節(TDLN、tumor draining lymph node)では、調節T細胞(Treg)の数が増えていることがこれまでの研究で確認されています。このことを発見した研究者等が「腫瘍細胞はTregnの数を増やす」という仮説を検証した研究成果をJ Immunother誌に発表しています。膵癌細胞・Pan02をマウスに移植する実験から、Pan02はTGF-betaを分泌することでTregnのレベルを増やすことが確認されました。TGF-betaでTregnのレベルを増やすことで、腫瘍は免疫の攻撃を逃れられるようになると考えられました。 |
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TGFβR1やTGFβR2の遺伝子変異で進行性の動脈瘤が発現する |
Aneurysm Syndromes Caused by
Mutations in the TGF-beta Receptor. NEJM. Volume 355:788-798 August 24, 2006
Number 8 Loeys-Dietz症候群(Loeys-Dietz
syndrome)は、様々な身体症状を伴う常染色体優性の大動脈瘤症候群であり、TGFβR1とTGFβR2をコードしている遺伝子のヘテロ変異によって引き起こされます。この文献に発表された研究成果から、胸部大動脈瘤や大動脈解離等の進行性の動脈瘤はTGFβR1やTGFβR2の遺伝子変異によって引き起こされると分かりました。リスクを有する患者においてこの変異の有無をスクリーニングすることで、予防措置を講じられるかもしれません。 |
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エストロゲンはT細胞上のTGFbシグナル伝達を介して骨の損失を防いでいる |
2004-11-04 06:11:53 マウスでの実験から、エストロゲンは免疫細胞の一つ・T細胞上のtype
b transforming growth factor (TGFb) のシグナル伝達を介して骨の損失を防いでいると分かりました。研究成果は今週のPNAS誌に発表される予定です。閉経後エストロゲン欠乏のモデルマウスでは、骨髄のマクロファージのTGFbレベルが正常のマウスのおよそ半分に低下していました。しかし、この閉経後マウスにエストロゲンを投与するとTGFbレベルが回復しました。また、T細胞におけるTGFbシグナル伝達がブロックされたマウスは、生まれたての時には正常なマウスと同程度の骨量があるものの、成長するにしたがって骨量が徐々に低下していきました。この結果から、T細胞でTGFbシグナル伝達が阻害されると骨の損失が促進すると考えられました。 |
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TGF-betaはSmad3を介してテロメラーゼ逆転写酵素遺伝子の転写を抑制する |
2006-09-25 癌細胞と正常細胞において、細胞内シグナリングタンパク質・Smad3依存的なメカニズムにより、TGF-beta(TGF-β)はテロメラーゼ逆転写酵素(telomerase reverse
transcriptase、TERT)遺伝子を抑制すると分かりました。乳癌細胞の実験の結果から、TGF-βは核内へのSmad3の移行を誘導し、核内でSmad3はTERT遺伝子プロモーターに結合してTERT遺伝子転写を抑制すると分かりました。また、TGF-βに反応してSmad3はc-Myc結合しました。c-MycをノックダウンするとSmad3はTERT遺伝子に結合しなくなることから、c-MycはSmad3をTERTプロモーターにエスコートしていると示唆されました。以上2006年9月1日のJ Biol Chem誌に発表された研究成果です。 |
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TGFBR2の遺伝子変異は胸部大動脈瘤または解離を引き起こす |
2005-07-26 00:00:00 胸部大動脈瘤または大動脈解離を有する患者80人のDNAを調べたところ、transforming growth
factor-beta receptor type II (TGFBR2) 遺伝子の変異は遺伝性の胸部大動脈瘤または大動脈解離を引き起こすと分かりました。 DNAの変異を調べたところ、4つの家族で、TGFBR2タンパク質の460番目のアミノ酸・アルギニン(R460)に影響を与える変異が認められました。R460は、TGFBR2遺伝子の高度に保存された領域に位置しており、この部分に変異が起きるとTGFBR2の立体構造が変化してシグナル伝達に障害がおきると考えられました。 TGFBR2のシグナル伝達は、大動脈瘤または解離の病理に幅広く関与していると考えられました。 |
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HTLV-1 |
成人T細胞白血病、発症メカニズム明らかに…京大 |
成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルス「HTLV―1」が、白血病細胞を増殖させる際、ウイルスが持つ「HBZ」という遺伝子が働いていることを、京都大ウイルス研究所の松岡雅雄教授らのグループが突き止め、17日付の米国科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。HTLV―1による発がんのメカニズムを明らかにした成果で、松岡教授は「治療法開発につなげたい」としている。白血病細胞の増殖にはこれまで、HTLV―1が持つ「tax」という遺伝子の関与が考えられていたが、松岡教授らは、ATLを発症したすべての白血病細胞でHBZが働いていることを発見。実験でHBZの働きを止めると、細胞の増殖を抑えられたという。HTLV―1は授乳や輸血、性交渉に伴い、免疫をつかさどるリンパ球「T細胞」に感染。20〜80年の潜伏期間を経て、感染者の1000人に1人が白血病を発症し、ほぼ1年で死亡する。日本では九州・沖縄を中心に約100万人の感染者がいる。 ウイルスは1981年に日沼頼夫・京都大名誉教授が発見したが、発がんのメカニズムは不明だった。
(読売新聞) - 1月17日11時17分更新 |
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HTLV 白血球の一種であるリンパ球に感染するウイルスで、感染者は世界に約2200万人いると推定されている。1型は、九州、沖縄、四国に患者が多い成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルス。2型はアフリカに多い。もとの宿主だった猿には無害だが、人に感染して病原性を持つようになったと考えられている。研究が進んでいる1型は、発病率が数%以下といわれ、発病までの潜伏期間は数十年と長い。(ワシントン共同) |
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HTLV-1の癌タンパク質・Taxは新規の中心体タンパク質・TAX1BP2と相互作用して染色体数を異数化する |
2006-06-26 ヒト白血病ウイルス1型(HTLV-1)感染が成人T細胞白血病(ATL)に関与しています。ATL細胞の染色体数は異常化(異数性)しますが、異数性が生じる原因は分かっていませんでした。2006年6月のNature Cell Biology誌に発表された研究成果から、HTLV-1感染細胞ではセントロメア(中心体)の増幅が起きており、この中心体の増幅はウイルスのTax癌タンパク質によって引き起こされると分かりました。また、Taxタンパク質は中心体に局在し、新規の中心体タンパク質・TAX1BP2と相互作用すると分かりました。TAX1BP2を過剰発現させると中心体の重複が阻害されました。逆にRNAiでTAX1BP2を欠乏させると中心体の重複が促進しました。これらの結果から、HTLV-1のTaxタンパク質はTAX1BP2を標的にしてゲノムを不安定化し、細胞に異数性を引き起こすと考えられました。 |
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インテグリン |
インテグリン関連タンパク質キナーゼ(ILK)の欠損は心筋症や心不全を引き起こす |
2006-08-21 アメリカで毎年2-300万人がうっ血性心不全を発現しています。うっ血性心不全の主な原因の一つは心筋症です。心筋症の大部分は遺伝性であり、心肥大や心拍出低下等を特徴とします。McGill UniversityのWilliam J. Muller氏のラボのポスドク・Donald White氏等による2つのマウスモデルでの研究から、インテグリンシグナリングの構成要素の一つであるintegrin-linked protein kinase(ILK)が欠損すると心筋症と心不全が発現すると分かりました。この研究から、ILKとその結合パートナーは心臓の機械的ストレッチセンサーの必須要素であり、この機能の障害は多くの心不全の原因となっていると考えられました。インテグリンシグナリングは細胞外環境の変化を認知し、適切な細胞応答に関与するシグナルを細胞内に送ります。特に、インテグリンはアクチンをベースにした接着構造の組み立てを指揮し、細胞にかかる力を伝播させています。したがって、細胞移動、増殖、生存において必須の要素となっています。‥> Reference Be still my beating heart: Ilk gene underlies
heart failure / EurekAlert |
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自然な免疫反応を利用してインテグリン高発現腫瘍細胞を殺傷する治療法が開発されている |
2007-03-28 -
自然な免疫反応を利用することにより、インテグリンを低レベルしか発現していない正常細胞には害を与えずにインテグリンを高レベル発現している腫瘍細胞のみを攻撃しうる治療薬が開発されています。Biotoday |
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HIV |
血小板数の低下はHIVに関連した認知症のリスク上昇と関連する |
2007-09-12 -
進行したHIV感染患者396人が参加したプロスペクティブコホート試験の結果、血小板数の低下はHIVに関連した認知症のリスク上昇と関連すると示唆されました。Biotoday |
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テロメア |
テロメアの再構築が遺伝子損傷を抑制 がんと加齢の関係に新知見 |
〔ニューヨーク〕 ソーク研究所(カリフォルニア州ラホヤ)のLaure Crabbe博士らは,遺伝性早老症の一種であるウェルナー症候群(WS)患者に由来する細胞を用いて研究を行い,テロメアの再構築が遺伝子損傷を抑制するとの知見をProceedings
of the National Academy of Sciences, USA(PNAS,2007;
104: 2205-2210)に発表した。 |
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テロメア |
アルツハイマー症の患者を介護する人は老化が早い? |
米国・メリーランド州ボルティモアにある、国立老化研究所のナンピン・ウェン博士らの研究によると、アルツハイマー症患者を介護している人の細胞が、介護をしていない人の細胞よりも早く老化が進むことがわかりました。博士らは、常にストレスを強いられている介護者の心理状態と免疫学的な変化を研究するために、アルツハイマー症患者の介護経験者と未経験者、それぞれ41名ずつを比較調査しました。介護経験者は、平均5年間アルツハイマー症の配偶者を介護しています。調査の結果、介護経験者のほうが未経験者よりも2倍も抑うつ的であり、身体的には彼らの末梢血単核球(PBMC)と呼ばれる、免疫に関係する細胞に違いが見つかりました。これにより、細胞の老化と関係がある(細胞が老化すると短くなる)テロメアという染色体の末端部分が、より短かったことがわかりました。細胞の老化は、個体の老化につながるといわれています。さらにテロメアの損傷を回復するためにテロメラーゼという酵素の活動も活発化していました。博士らは、少なくとも慢性的な介護のストレスが、テロメアの短縮を加速させ、細胞の老化を早めているのではないか、と結論付けています。(The Journal of Immunology 2007年9月号) |
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アスベスト |
BTJジャーナル、黒田章夫・広島大学教授ら、大腸菌のアスベスト結合たんぱく質でアスベスト1μgを検出 |
広島大学大学院先端物質科学研究科分子生命機能科学専攻の黒田章夫教授(関連記事1)らは、健康被害問題で使用禁止になっている石綿(アスベスト)の代表である白石綿(クリソタイル、Mg6Si4O10(OH)8)を、1μgでも検出できる手法を開発した。クリソタイルに結合する大腸菌のたんぱく質DksAを発見、遺伝子操作で大腸菌由来アルカリホスファターゼ(BAP)と融合させたDksA-BAPを利用することにより、暗視野で明瞭にクリソタイルを識別する手法を開発した。粉砕した試料と混合するだけで利用可能なことから、アスベストを検出するための有効な道具になりそうだ(図入りの詳しい記事は、BTJジャーナル2007年10月号P.11-12参照)。 |
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PSA |
肥満男性のPSA値が低い理由を解明 |
肥満の男性では前立腺癌(がん)の指標となるPSA(前立腺特異抗原)の血液中濃度が通常よりも低く、検査結果を調整する必要があることが知られている。この原因として、肥満男性は血液量が多いためにPSAが薄められている可能性が示され、米国医師会誌「JAMA」11月21日号で報告された。 前立腺癌基金(PCF)によると、米国では男性の6人に1人が前立腺癌に罹患し、そのほとんどが65歳以上だという。高齢男性の多くは定期的にPSA血液検査を受けているが、最近の研究から、過体重および肥満の男性のPSA値が正常体重の男性に比べて20〜25%低いことが明らかにされている。このため、体の大きな男性の場合、正常であると判断して1〜2年ないしそれ以上放置している間に癌が成長してしまう恐れがあるという。やせ過ぎであることによるPSA値への影響の有無は明らかにされていない。 米デューク大学(ノースカロライナ州)泌尿器・病理学助教授のStephen Freedland博士らによる今回の研究は、体の大きな男性のPSA値が低いのは、血液量が多いために抗原が希薄化されるためとの仮説を検証したもの。1988年から2006年の間に前立腺摘出を受けた前立腺癌患者1万4,000人について調べた結果、体重の多い男性ほど血液量も多いことが判明。希薄化によってPSA値の低下が生じるという理論が裏付けられたと研究グループは述べている。Freedland氏は、同じことがほかの癌の血液マーカーにも当てはまるとして、「血液検査を開発する際には、このことを念頭に置く必要がある」と指摘している。 一方、米マウントサイナイ医科大学(ニューヨーク)教授のNelson Stone氏は、この知見に対して懐疑的な見解を示している。今回の研究は進行前立腺癌の患者だけを対象としており、この点やその他の因子により結果が歪曲(わいきょく)されている可能性があると指摘。しかし、体の大きな人のPSA値がやせている人と同じではなく、PSA値評価の際には慎重に行う必要があることは同氏も認めている。[2007年11月20日/HealthDay News] |
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インスリン |
乳がんの女性はインスリンのレベルのチェックが重要 |
◎乳がんの女性は、インスリンのレベルが高いと、死亡リスクがかなり高くなることがわかりました。◎研究者は、乳がんの女性は、インスリンのレベルをチェックして、低く維持するようにと強く促しています。◎ 40 代の若い乳がんの女性で、インスリンのレベルの影響は顕著だったといいます。◎乳がん患者は、血液インスリン濃度を下げるためのライフスタイルを実行するべきだと、研究者はアドバイスしています。◎米国のエール大学パブリックヘルスの助教授のメリンダ・アーウィン (
Melinda L. Irwin PhD MPH ) 氏が、米国がん研究学会の第6回国際がん予防最前線会議で 7 日発表しました。◎インスリンは、実験室研究で、乳がん細胞の成長を促すことが示されています。しかし、血液のインスリン濃度と乳がんの経過の関係はあまり調べられていませんでした。◎インスリンは、血液中の糖を細胞に取り込む働きがあり、血糖値の調節に重要です。白米や白パンのような血糖値が上昇しやすい食品を多く摂る食事は、乳がんの発症リスクを増加させることが報告されています。◎研究チームは、 689 人の乳がんの女性を対象に調査しました。女性は乳がんの診断をうけた時点の 1995 〜
98 年に、健康・食事・運動・ライフスタイル研究 (HEAL) に登録しています。皆、乳がんを発症した時点で、糖尿病ではありませんでした。◎研究者は、女性の血液の C-ペプチドのレベルを、研究に登録した時と、その後、 6 カ月ごとに
2004 年まで、または死亡時まで追跡調査しました。 C-ペプチドのレベルは、身体のインスリンの分泌レベルを示すマーカーです。◎研究者は、
C-ペプチドのレベルで女性を 3 つのグループに分けて比較しました。◎C-ペプチドのレベルが最も高い女性は、最も低い女性と比べて、死亡リスクがほぼ 2 倍に増加しました。◎特に浸潤性乳がんの女性はC-ペプチドのレベルの影響が大きいといます。C-ペプチドのレベルが高い浸潤性乳がんの女性は、低い女性と比べて、死亡リスクがほぼ 3 倍に増加しました。浸潤がんは、ガンが乳房の組織中と周囲の組織に広まったことを意味します。◎しかし、この関係は、乳がんが広まったかどうかにかかわらず、研究に参加したほとんどすべての女性に検出されました。◎糖尿病と高血圧のリスクを調べるとき、乳がんの生存者は、本当に、どのようにインスリンレベルを下げるかに関して、医師に相談するべきです、とアーウィン氏はいいます。◎乳がん患者は、食事で脂肪の摂取を控えて、野菜や果物を積極的に食べて、運動をするといった、血液インスリン濃度を下げることが証明された方法を実行するべきだと、アーウィン氏はアドバイスしています。◎高いC-ペプチドのレベルに関連する死亡リスクは、 40 代の早期の乳がんの女性で特に高くなりました。 50 代、
60 代の女性では関係は弱くなりました。 |
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◎若い女性で、C-ペプチドのレベルに関連して高い死亡率がみられたことは、これらの女性は、腫瘍遺伝学か家系に関連する悪性度の高い腫瘍をもっていたのかもしれないと示唆します、とアーウィン氏は述べています。◎さらに、研究結果は、C-ペプチドとおそらくインスリンは、乳がんの進行のマーカーであることを、明らかに示していると述べています。12/13/2007 アライブ・サプリメント カフェ ※ORT生命科学研究所としては、乳癌関係としてCRP, IGF-1の他にCA15-3、cyclin EのRCSを準備しています。 |
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血糖値、インスリン |
血糖値、インスリンが高くなると、前立腺ガンのリスクが低下 |
◎糖尿病の男性は、前立腺がんのリスクが低下することが、これまでの研究で報告されています。◎長期の大規模なコホート研究のデータから、血糖値をコントロールする、インスリンの分泌レベルのマーカーである、 C-ペプチドのレベルが高くなると、前立腺がんのリスクが大きく低下することがわかりました。 12/14/2007 アライブ・サプリメント カフェ |
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p53 |
間質でのp53遺伝子変異や間質マーカーのヘテロ接合性消失やアレル不均衡は腫瘍進行を促進する |
2007-12-24 -
新たな研究の結果、散発性乳癌(sporadic breast cancer)において、体細胞のp53遺伝子(TP53)変異や局所リンパ節転移と間質でのヘテロ接合性消失やアレル不均衡が関連すると分かりました。Biotoday |
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p53 |
DNAとp53の結合を妨げうるp53遺伝子の破壊的変異は頭頸部癌患者の手術後の生存低下と関連する |
2007-12-24 -
腫瘍抑制タンパク質・p53をコードする遺伝子・TP53の変異によるp53機能の消失は、癌細胞に最も一般的に認められる遺伝的変化の1つとなっています。 Biotoday |
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p53 |
乳癌患者における癌抑制遺伝子TP53変異とリンパ節転移の関連 |
クリーブランドクリニック・ゲノム部門(アメリカ)のAttila
Patocs氏らは、以前の研究で腫瘍性胸部上皮細胞とその周囲の間質細胞で高頻度に見出された癌抑制遺伝子TP53の変異に着目。この遺伝子が乳癌の転帰に寄与しているとの仮説を立て、「遺伝性」および「散発性」乳癌患者それぞれにおけるゲノムワイド解析、臨床的・病理学的所見との関連解析を行った。NEJM誌2007年12月20日号に掲載。CareNet.Com |
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p53 |
リンパ節転移との関連は「散発性」においてのみ |
「遺伝性」および「散発性」乳癌患者のサンプルいずれにおいてもTP53変異と、ヘテロ接合消失およびアレル不均衡増幅との関連が見られたが、変異の頻度は「遺伝性」のほうが「散発性」より高かった(74.4%対42.3%、P=0.001)。TP53変異と関連を示すマイクロサテライト遺伝子座は、「遺伝性」乳癌患者の間質細胞では1個(2p25.1)だったが、「散発性」では66個あった。また「散発性」の上皮細胞ではみられなかったが間質細胞では、TP53変異と局所リンパ節転移との関連も見いだされた(P=0.003)。「散発性」の間質細胞ではTP53変異がない場合でも、ヘテロ接合消失とアレル不均衡の増幅に関係する5つの遺伝子座の特異的な組み合わせがある場合、リンパ節転移との関連が認められた。こうした関連は「遺伝性」の臨床的および病理学的所見では全く見いだされなかった。研究者らは、「散発性乳癌では、間質細胞のヘテロ接合消失またはアレル不均衡は、TP53変異、局所リンパ節転移と関連しているが、遺伝性乳癌ではこうした関連はみられなかった」と結論づけている。(医療ライター:武藤まき) |
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EGFR |
乳がん悪性化の仕組み解明 新たな治療薬開発に道 |
乳がん細胞が悪性化して転移しやすくなる仕組みを、大阪バイオサイエンス研究所(大阪府吹田市)の佐辺寿孝(さべ・ひさたか)部長(分子生物学)らのグループが解明し、16日付の英科学誌ネイチャー・セル・バイオロジー電子版に発表した。GEP100と呼ばれるタンパク質が、2種類のがん関連物質と連携することで悪性化が引き起こされていた。佐辺部長は「この連携を邪魔することができれば新たな抗がん剤開発につながる」と話している。京都大、大分大との共同研究。グループはがん細胞の増殖に関係する上皮成長因子(EGF)受容体に着目。受容体の根元にGEPがくっつくと、細胞内に眠っていてがんの悪性度にかかわるArf6という物質が活性化しやすくなることを突き止めた。初期の乳がん細胞は乳腺にとどまっているが、進行すると悪性化してリンパ節などに転移する。ただ詳しい仕組みはこれまで不明だった。 ※上皮成長因子(EGF)受容体としてEGFRのRCSがあります。また、癌の増殖と関連したKi-67と血管新生速度に関連したVEGFもRCSとして準備してあります。 |
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VEGF |
VEGF抑制薬が進行固形癌に有効 |
〔サンフランシスコ〕
コロラド大学癌センター(コロラド州オーロラ)のJennifer L. Spratlin博士らが,血管内皮系細胞増殖因子(VEGF)を抑制するIMC-1121Bが,進行固形癌患者を対象とした臨床第 I
相試験を行い,被験者の60%で抗腫瘍活性を示したと,米国癌研究協会(AACR),米国立癌研究所(NCI),欧州癌研究治療組織(EORTC)主催の分子標的癌療法に関する2007国際会議で報告した。 |
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VEGF |
VEGFを阻害すると脳への脳髄液の漏出を防いでいるバリアが崩壊して浮腫が発現する |
2008-02-12 -
腫瘍への血液供給を阻害して腫瘍増殖を抑制するAvastin (アバスチン;bevacizumab、ベバシズマブ)
等のVEGF阻害剤の使用によって一部の患者に発作や脳浮腫が生じます。Biotoday |
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EGFR |
EGFR阻害薬が抗癌薬として有望 肺癌や頭頸部癌で生存期間延長 |
〔ニューヨーク〕
ピッツバーグ大学(ペンシルベニア州ピッツバーグ)血液学・腫瘍学のMichalis V.
Karamouzis博士らは,気道/消化管の上皮から発生する肺癌,頭頸部癌,食道癌などに対する将来有望な新規抗癌薬として確立した上皮増殖因子受容体(EGFR)阻害薬について,臨床的検討のレビューを行い,結果をJAMA(2007; 298: 70-82)に発表した。 |
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EGFR |
血清や肝臓でのEGFレベル上昇と関連する一塩基多型と肝硬変患者の肝癌リスク上昇の関連が確認された |
2008-01-02 - EGF遺伝子の61番目の塩基配列がAからGに変化する一塩基多型(SNP)・61*Gは血清や肝臓でのEGFレベル上昇と関連し、このSNPを有する肝硬変患者は肝細胞癌を発現するリスクが高いと分かりました。Biotoday |
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EGFR |
乳がん悪性化の仕組み解明 新たな治療薬開発に道 |
乳がん細胞が悪性化して転移しやすくなる仕組みを、大阪バイオサイエンス研究所(大阪府吹田市)の佐辺寿孝(さべ・ひさたか)部長(分子生物学)らのグループが解明し、16日付の英科学誌ネイチャー・セル・バイオロジー電子版に発表した。GEP100と呼ばれるタンパク質が、2種類のがん関連物質と連携することで悪性化が引き起こされていた。佐辺部長は「この連携を邪魔することができれば新たな抗がん剤開発につながる」と話している。京都大、大分大との共同研究。グループはがん細胞の増殖に関係する上皮成長因子(EGF)受容体に着目。受容体の根元にGEPがくっつくと、細胞内に眠っていてがんの悪性度にかかわるArf6という物質が活性化しやすくなることを突き止めた。初期の乳がん細胞は乳腺にとどまっているが、進行すると悪性化してリンパ節などに転移する。ただ詳しい仕組みはこれまで不明だった。 |
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EGFR |
上皮増殖因子受容体特異的モノクローナル抗体は免疫細胞を活性化 |
ニューヨーク(ロイターヘルス)‐Archives
of Otolaryngology--Head and Neck Surgery誌12月号の報告によると、上皮増殖因子受容体(EGFR)-特異的モノクローナル抗体は、頭頚部扁平上皮細胞癌(SCCHN)細胞株に対して免疫活性化を仲介する。「免疫系は、癌の予防または治療において重要である」とUniversity of Pittsburgh Cancer Institute(ペンシルベニア)のDr. Robert L. Ferrisはロイターヘルスにコメントした。Dr. FerrisおよびDr. Andres Lopez-Albaiteroは、EGFR特異的モノクローナル抗体セツキシマブおよびパニツムマブのSCCHN細胞株に対する作用を、正常な末梢血単核球の存在下または欠如下にin
vitroで試験した。セツキシマブおよびパニツムマブは、共にSCCHN細胞株において、同様なレベルのEGFR結合、アポトーシスの誘導、細胞溶解および蛍光EGFR阻害を示したと著者らは報告している。しかし、いずれの抗体もin vitroで直接的な細胞毒性を示さなかった。セツキシマブおよびパニツムマブは、共に末梢血単核球の存在下にSCCHN細胞に対する抗体依存性細胞毒性を有意に活性化した、と報告は示している。両抗体は、抗体依存性細胞毒性およびEGFR阻害を仲介するために同様な用量を必要としていた、と研究者らは述べている。「我々の研究結果は、SCCHN試料中で確認される必要がある」と研究者らは説明している。「SCCHN患者がEGFR特異的モノクローナル抗体療法中に免疫活性化を生じるかどうかを究明すること、およびこれら標的免疫療法に対する免疫応答に影響する疾患病期およびFc-ガンマ-R多型などの宿主因子を特定することが重要になるだろう」。今後の予定された研究には「免疫活性化のより精密な検査法および治療に反応する患者のよりよい選択法」が含まれるとDr. Ferrisは語った。Arch Otolaryngol Head Neck Surg 2007;133:1277-1281. |
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インテグリン |
T細胞移動時のインテグリン・LFA-1は非筋肉型ミオシン重鎖UAを介して接着タンパク質・ICAM-1から脱接着する |
2008-01-15 -
静止時のT細胞の表面にはインテグリンが均一に分布しています。しかし、T細胞が動くときには、細胞が動く方向の先端に活性化インテグリンがクラスターを形成します。このインテグリンは、T細胞が移動する表面にあるICAMなどの接着タンパク質に結合します。接着タンパク質に結合したインテグリンはT細胞の細胞骨格に引き寄せられて細胞の後縁に移動した後に開放(脱接着、de-adhesion)されます。Biotoday |
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アスベスト |
赤外線でアスベストを無害化 壁から剥離する必要なし |
産業技術総合研究所(茨城県つくば市)は23日、建物の断熱材などに使用されているアスベストを、壁から剥離(はくり)せずにその場で無害化する技術の開発に成功したと発表した。赤外線反射鏡で高温の光を照射することで無害化する。アスベストは吸入すると肺がんや中皮腫の原因となり、建物解体による飛散で作業員や周辺住民への健康被害が指摘されている。アスベストは国内では昭和40年代ごろからビルの断熱材などに大量に使用された。耐久性に優れ安価なため「奇跡の鉱物」と重用されたが、空中に飛散した繊維を吸入すると潜伏期間を経て中皮腫などの原因となることが分かり、現在では「静かな時限爆弾」ともいわれる。産総研は、ハロゲンランプを使い楕円(だえん)形の赤外線反射鏡を用いた加熱装置を開発。1500度以上の光を照射し溶融することで、アスベストの毒性原因である繊維状の形態を破壊することに成功した。アスベストを含有する代表的吹きつけ材であるロックウールを光照射し溶融させても下地のコンクリートに損傷はなかった。このため、飛散性が高いアスベスト含有材を壁から剥離せずに無害化することができる。池田伸一主任研究員は「これまで手作業で剥離し別の場所で処理していたものをその場で溶融処理できる。1、2年後には試作機をつくり3、4年後には実用化したい」と話している |
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アスベスト |
大腸がん治療薬、中皮腫にも効果 金沢大 |
アスベスト(石綿)吸引などで起こるとされる悪性胸膜中皮腫の治療に、大腸がん治療薬として今年承認された「アバスチン」(一般名ベバシズマブ)が有効とみられることを、矢野聖二金沢大がん研究所教授(腫瘍(しゅよう)内科)らのチームが、動物実験で16日までに突き止めた。10月に横浜市で開かれる日本癌(がん)学会で発表する。アバスチンは、がんに栄養を供給する腫瘍血管の形成に欠かせない、血管内皮増殖因子(VEGF)の働きを阻害し、がんを「兵糧攻め」にする働きがある。中皮腫はがんの一種で、胸の痛みや呼吸困難を伴う。治療薬として「アリムタ」(一般名ペメトレキセド)が今年承認されたが、効果は限定的とされ、新たな治療法が模索されている。肺に胸水がたまるタイプの中皮腫の細胞を移植したマウスにアバスチンを投与する実験では、中皮腫の増殖や胸水を抑える効果がみられた。薬を与えないマウスが移植後35日で死んだのに対し、アリムタでは45日、アバスチンでは55日まで延命。両薬剤を併用した場合は65日まで延命できた。 |
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HPV |
非小細胞肺癌とHPVや麻疹ウイルス感染が関連しうる |
2008-04-29 -
2つの研究により、喫煙者の非小細胞肺癌とヒトパピローマウイルス(HPV)やはしかウイルスの関連が示唆されました。Biotoday |
EGFR |
[医学]
口腔咽頭癌の治療転帰とEGFRの発現レベルは負に関連する |
進行した口腔咽頭癌患者に対する臓器温存療法の転帰と関連するバイオマーカーを評価した試験結果が発表されています。 2008.5.16 Biotoday |
HIV |
HIV感染患者は多くの癌のリスクが高い |
2008-05-22 -
1992年から2003年のHIV感染患者における癌のタイプ毎の発現トレンドを評価したところ、HIV感染患者は肛門癌を含む多くの癌のリスクが高く、前立腺癌のリスクは低いと分かりました。
Biotoday |
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HPV16 |
HPV16抗体価が高い口腔咽頭癌は治癒率が高い |
米ミシガン大学総合癌センターなどの研究者たちは、特定のマーカーを指標とすれば、化学療法と放射線治療により治癒が望める口腔咽頭癌の患者を見分けられる可能性を示した。この発見について報告した2本の論文は、Journal
of Clinical Oncology誌電子版で2008年5月12日に公表された。同誌掲載は7月1日号になる予定。 これらの研究は口腔咽頭癌のリスク分類を明らかにする試みだ。喫煙率の低下により喫煙が原因の頭頸部腫瘍は減少したが、一方でハイリスクのヒト・パピローマウイルス(HPV)感染に起因する頭頸部腫瘍が増加している。また、治療には強力な化学療法と放射線治療が適用されるが、患者の反応性は個人差が大きい。そこで著者らは、治療によく反応する要因を探るため、バイオマーカーの探索を行った。66人の進行した口腔咽頭の扁平上皮癌患者(ステージ3または4)を対象に、標準的な化学療法(シスプラチンまたはカルボプラチンとフルオロウラシルの併用)を1クール行い(導入化学療法)、反応を調べた。導入化学療法で腫瘍の大きさが当初の1/2未満まで縮小した54人(81%)の患者は化学放射線併用療法群に割り付け、70Gyの放射線治療とシスプラチンまたはカルボプラチンの投与を並行する治療を3クール継続した。組織学的に感受性のある患者にはパクリタキセルの補助療法が追加された。導入化学療法後に腫瘍が1/2以上の大きさを保っていた患者については、外科的切除を行い、その後放射線を照射した。化学放射線併用療法を受けた患者のうち、49人(92%)が組織学的完全奏効を見た。追跡期間の中央値64.1カ月の時点の分析で、4年全生存率は70.4%、疾病特異的生存率は75.8%だった。62%は癌の再発無しに生存していた。このグループでは47人が臓器を完全に保存できた。手術を受けたグループでは、生存は11人中4人に留まった。治療前に生検が行われた42人について、標本を対象に検査を実施。27人(64.3%)でハイリスク型HPV16が陽性だった。陽性者は、より若い患者、男性、非喫煙者に多かった。HPV16の抗体価は、導入化学療法に対する反応率、化学放射線併用療法の奏効率、全生存率、疾患特異的生存率と有意な相関があった。加えて研究者たちは、上皮成長因子受容体(EGFR)、Bcl-xL、p53といった各種マーカーと、治療に対する反応、生存との関係も調べた。EGFRの発現は、現在の喫煙、女性、HPV抗体価の減少と相関しており、導入化学療法や化学放射線併用療法に対する反応、全生存率、疾病特異的生存率と負の相関を示した。マーカーの組み合わせでは、HPVの抗体価が低くEGFRが過剰に発現している場合に、全生存率、疾病特異的生存率が最も悪かった。 生検を行った42人中36人はp53がワイルドタイプで、HPV陽性にもかかわらずp53に変異を起こしていたのは1人だけだった。p53の発現レベルが低くBcl-xLの発現レベルが高い腫瘍も全生存率と疾病特異的生存率が悪かった。研究グループは、「症例数が少ないものの、EGFRが低くHPV抗体価の高い患者が最も治療に反応しやすいと考えられる。それ以外のタイプの患者には、禁煙を含めて別の対策と治療法が必要になりそうだ」と結論している。 |
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