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ビタミンB12と葉酸 |
葉酸はビタミンB12によって、生体内で、活性型のtetrahydrofolateに変換される。葉酸は細胞の成長に必要で、消化管のライニングセルや赤血球では葉酸の要求量が高い。また葉酸は胎児の発育特に中枢神経系の形成に重要。一方、ビタミンB12は葉酸を活性化するのに必要。両ビタミンは核酸とDNA合成に必須。 |
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葉酸が大腸がん予防に効果 九大、患者らの遺伝子解析 |
ホウレンソウなど葉物野菜に多い葉酸と呼ばれるビタミンが、大腸がん予防に効果があることを九州大の古野純典(この・すみのり)教授(予防医学)らの研究グループが大規模な疫学調査で裏付けた。29日から福岡市で開催される日本癌学会で発表する。古野教授らは、福岡県内の医療機関8施設に入院した大腸がん患者685人と、一般住民778人について、体に取り込まれた葉酸の変化に関係する遺伝子を解析した。葉酸は体内で次々と形を変えていくが、その過程で遺伝子を安定させる物質になる段階がある。がんは遺伝子異常で起きるため、葉酸がこの物質の形で多くとどまるほどがんが起こりにくくなる。この物質のままとどまりやすい程度には遺伝子の特定部位の型によって個人差があり、とどまりやすい型の人は一般住民で17・1%いたのに対し、患者では12・4%とやや少なかった。 |
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葉酸は出血性脳卒中を防ぐ |
2005-07-26 00:00:00 出血性脳卒中患者62人、虚血性脳卒中患者334人のビタミンB12と葉酸の血中濃度を測定したところ、血中の葉酸レベルが高い人ほど出血性脳卒中になりにくいという結果となりました。 一方ビタミンB12の血中濃度と出血性脳卒中または虚血性脳卒中の発現に関連はありませんでした。 また、葉酸サプリメントを使用していると出血性脳卒中になりにくいという結果となりました。一方、葉酸サプリメントの服用と虚血性脳卒中の発現に相関はありませんでした。 ビタミンB12サプリメントと虚血性脳卒中または出血性脳卒中に相関はありませんでした。葉酸は、心血管疾患のリスクマーカーであるホモシステインレベルを低下させます。この作用以外にも、出血性脳卒中を予防する何らかの作用を葉酸は有している可能性があると考えられました。 Folate may
protect against hemorrhagic stroke / Reuters |
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ビタミンB6の食事摂取でパーキンソン病リスクが減少する |
2006-08-24 ホモシステイン濃度の上昇は、細胞毒性作用により、パーキンソン病(PD)のドーパミン作動性細胞死を促進すると考えられます。したがって、ホモシステイン代謝の共同因子である葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6を食事で摂取することで、血漿ホモシステインが減少し、PDリスクが低下する可能性があります。さらに、ビタミンB6は、ホモシステイン代謝とは関係なく抗酸化作用とドーパミン合成を助ける働きを介してPDリスクに影響を及ぼす可能性があります。55歳以上の人を対象にしたプロスペクティブ・集団ベースのコホート試験(Rotterdam Study)に参加した被験者のうち、試験開始時に食事内容が評価され、痴呆およびパーキンソニズムが認められなかった5289人を対象にして、葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6の食事摂取とPD発生リスクの関連を検討した結果が2006年7月25日のNeurology誌に報告されています。頻回の対面診察が実施されると同時に、医療機関の記録を継続的にモニターすることでPDが評価されました。平均9.7年のフォローアップ後、72例にPD発生が認められました。研究の結果、ビタミンB6の食事摂取量の高さがPDリスクの有意な低下と相関していました(標準偏差ごとのハザード率0.69(95%信頼区間0.50‐0.96)、上位1/3対下位1/3 0.46(0.22-0.96))。層別解析の結果、この相関は喫煙者に限定されていました。葉酸とビタミンB12の食事摂取にはPDリスクとの関連は認められませんでした。この研究結果から、ビタミンB6はホモシステイン代謝とは無関係の機序を介してパーキンソン病リスクを低減しうると考えられました |
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葉酸サプリメントは老化による難聴の進行を遅らせる作用がある |
2007-01-07 50-70歳のオランダの男女728人を対象にした試験の結果、葉酸は老化に伴う難聴の進行を遅らせる作用があると示唆されました。この試験では、およそ半数は葉酸を服用し、残りはプラセボを服用しました。3年後、葉酸を服用していた被験者の方がプラセボ服用者よりも低周波音の聴力低下の程度が軽くなっていました。具体的には、プラセボ投与群では聞き取れる低周波音の閾値が1.7dB増加しましたが、葉酸服用群では1dBしか増加しませんでした。一方、高周波音の閾値の低下には葉酸サプリメントは影響を与えませんでした。 |
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葉酸の取りすぎは乳癌での死亡率を上昇させる |
2004-12-12 05:58:19 妊婦の葉酸補給に関する1960年代の試験に参加した妊婦2928人を追跡調査したところ、葉酸を使用しなかった女性に比べて高用量(5mg/日)を服用していた女性は死亡リスクが高く、特に乳癌で死亡するリスクが2倍高いという結果となりました。2004年12月11日のBMJ誌に発表された研究成果です。 胎児の神経管欠損を防ぐために葉酸を妊娠中に服用することが一般的となっていますが、摂りすぎはよくないようです。イギリス政府は葉酸は0.4mg/日を受精前から摂取し始め、妊娠12週までその量の葉酸を摂取することを勧めています。 |
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コエンザイムQ10は心不全患者の運動能力や心機能を改善する |
2007-01-09 平均年齢59歳の中等度〜重度の慢性心不全患者23人を対象にしたプラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験において、コエンザイムQ10〔CoQ(10)〕(100mg t.i.d.)サプリメント服用でHDLコレステロール、運動能力、心機能が改善するという結果が得られました。またCoQ10服用に週5回の運動を組み合わせると、上記のようなCoQ10の作用が増強されました。この結果から、CoQ10のサプリメントは、有害事象を引き起こすことなく心不全のいくつかの症状を改善すると考えられました。 |
カルニチン |
カルニチンは精子の濃度と活動を上昇させる |
2004-07-11 05:41:21 20-40歳の不妊男性60人を対象にしたプラセボ対照の6ヶ月の試験で、L-carnitineとacetyl-L-carnitineのサプリメントを服用すると精子の濃度と活動が上昇するという結果となりました。 2004年6月のFertil Steril誌に発表された研究成果です。 また、試験期間中L-carnitineとacetyl-L-carnitineのサプリメントを服用していた男性4人パートナーが妊娠しました。‥> News Source A
placebo-controlled double-blind randomized trial of the use of combined
l-carnitine and l-acetyl-carnitine treatment in men with asthenozoospermia.
Fertil Steril. 2004 Jun;81(6):1578-84. |
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カルニチン、オメガ-3脂肪酸、コエンザイムQ10の複合サプリメントはAMDの進行を防ぐ |
初期加齢黄斑変性症(AMD)患者106人を対象にした1年間のプラセボ対照2重盲検臨床試験の結果、カルニチン(acetyl
L-carnitine)、オメガ-3脂肪酸(omega-3 fatty acids)、コエンザイムQ10(coenzyme Q
10)で構成されるサプリメント・Phototropは網膜にできる黄斑の形成を抑制する効果があると分かりました。
この結果からPhototropはAMDの進行を抑制する作用があると考えられました。University of Rome La SapienzaのJanos
Feher等がAmerican Academy of Ophthalmology and European Society of
Ophthalmologyの合同学会で発表した研究成果です。
L-カルニチンはミトコンドリアの機能を改善します。オメガ3脂肪酸が細胞膜脂質の構造に作用し、コエンザイムQ10は抗酸化作用を有します。これらの作用が黄斑の形成を抑制したようです。 |
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カルニチンはミトコンドリア機能が正常な精子の運動能力を亢進させる |
2005-03-07 06:44:51
精子無力症の男性30人を対象にした3ヶ月間のプラセボ対照試験の結果、L-カルニチンのサプリメントはミトコンドリア機能が正常な精子の運動能力を向上させると分かりました。2005年2月のFertil
Steril誌に発表された研究成果です。精子のミトコンドリア機能が正常な男性では、カルニチンを摂取することで精子の運動能力が29.3%から41.1%に改善しました。一方ミトコンドリアの機能が障害している男性ではカルニチンを服用しても精子の運動能力は向上しませんでした。
phospholipid hydroperoxide glutathione peroxidase (PHGPx)
のレベルでミトコンドリアの機能が評価できるようです。女性に問題はなくて回数も問題ないというカップルは精子の運動能力を評価すると同時にミトコンドリアの機能等を調べてもらうべきかもしれません。 |
αリポ酸 |
αリポ酸
600mg経口服用すると糖尿病性の神経障害が改善する |
2005-02-20 18:05:47 糖尿病性多発性神経障害患者24人を対象にした3週間のプラセボ対照臨床試験で、αリポ酸 600mg/日を経口服用すると神経障害が改善するという結果が得られています。1999年3月のDiabet Med誌に発表された研究成果です。この試験ではTSSというスケールで効果を比較しました。投与19日時点でαリポ酸服用群でのTSSは-3.75 +/- 1.88 (-47%) 低下し、プラセボでは-1.94 +/- 1.50 points (-24%) 低下しました(P= 0.021)。プラセボとαリポ酸で有害事象の発現率に差はありませんでした。経口αリポ酸は糖尿病性の多発性神経障害に効果があると考えられました。‥> Reference Effects of 3-week oral treatment with
the antioxidant thioctic acid (alpha-lipoic acid) in symptomatic diabetic
polyneuropathy. Diabet Med. 1999 Dec;16(12):1040-3. |
葉酸、VitB12 |
過剰な葉酸がビタミンB12
機能を劣化、貧血と認知機能の低下に |
過剰な葉酸は、ビタミンB12の働きを低下させるようです。◎ビタミンB12欠乏は、脳の認知的な機能の急速な低下につながることが報告されています。◎先の研究で、ビタミンB12欠乏の高齢者で、葉酸レベルが高い場合は、貧血と脳の認知機能の損傷がさらに悪化することが示されています。◎新しい研究は、ビタミンB12欠乏に葉酸の高レベルが加わると、ビタミンB12の欠乏のマーカーであるホモシステインとメチルマロン酸のレベルがさらに上昇することを発見しました。◎さらに、この傾向は、米国でパンなどの食品に合成タイプの葉酸が栄養強化された後に、現れたことがわかりました。 |
αリポ酸 |
αリポ酸はトリグリセリドを低下させて血管炎症・体重増加を抑制することで動脈硬化を防ぐ |
2008-01-19 -
血管炎症と脂肪蓄積は動脈硬化で認められる顕著な特徴となっています。以前の研究で、TNF-αやリポ多糖によって誘導される内皮・単球活性化やリポ多糖によって誘導される急性炎症性反応を阻害することによってαリポ酸は炎症を防ぐ事が示されています。Biotoday |
葉酸 |
葉酸摂取と精子の染色体異常の頻度は負に相関する |
健康な非喫煙男性89人の精子サンプルのX・Y・21番染色体異数性と食物摂取頻度調査(food frequency questionnaire)に基づく葉酸・亜鉛・抗酸化物質(ビタミンC、ビタミンE、βカロテン)摂取の関連を評価したところ、葉酸を豊富に摂取すると精子に遺伝子異常が生じにくくなると示唆されました。 2008.3.21 Biotoday |
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