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プリオン |
プリオンタンパク質の凝集・複製に関わるアミノ酸配列が同定された |
2004-04-10 17:21:17 University of Californiaの研究者Osherovich L等によってプリオンタンパク質が凝集・複製するときに必要なアミノ酸配列が同定されました。プリオンを作るタンパク質は3次元構造を変化させる能力があり、3次元構造が変わったプリオンタンパク質は極端に壊れにくくなります。プリオンは他のタンパク質の構造も変化させ、最初の変異タンパク質を核としてその周りに変異させたタンパク質をくっつけて凝集体を形成します。 この凝集体はシャペロンによって切断され、プロパゴンと呼ばれる小さなプリオン粒子が次々に複製されていくと考えられています。複製されたプロパゴンは細胞の複製に沿って次々に細胞に感染していきます。Osherovich L等によってグルタミンとアスパラギンが豊富な領域がプリオンの凝集に必要であり、一方その領域に隣接したペプチドタンパク質の繰り返し配列が、凝集したプリオンが分割されて細胞の分裂にしたがってきちんと分配されていくのに必要であることが解明されました。 |
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異常プリオンが高率で人に感染の疑い英国全体で3800人の可能性 |
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調査を掲載した21日発行の「病理学ジャーナル」最新号によると、英国人約1万2700人から摘出した盲腸やへんとう腺を検査した結果、異常プリオンが3人から発見された。試算では、英国全体で約3800人が異常プリオンに感染している可能性があるという。
異常プリオンは感染が発見されてもヤコブ病の発症に直結するとは限らないが、輸血や臓器移植などで知らずに感染が拡大する恐れもあり、専門家たちは「深刻な結果だ」と分析している。今月発表の英政府の最新統計では、英国ではヤコブ病が原因とみられる死者が毎年20人前後、累計で計141人に上っている。
(2004年5月22日 読売新聞 無断転載禁止) |
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輸血や内視鏡手技がvCJDの原因か プリオン蛋白質に新たな感染ルート |
〔ニューヨーク〕
変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)をもたらすプリオン蛋白質(PrPres)の感染ルートとして,輸血や内視鏡手技もリスクがあるとする 2 件の研究がLancetに掲載され,公衆衛生上の新たな問題が浮上してきた。 |
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異常プリオン:血液中からの検出方法を開発 米テキサス大 |
【ワシントン和田浩明】脳がスポンジ状に侵される難病、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)や牛海綿状脳症(BSE)の病原体「異常プリオン」を、血液中から検出することを可能にする方法を、米テキサス大などの研究者が開発し、28日付の米医学誌「ネイチャー・メディシン」電子版に発表した。極少量の異常プリオンを試験管内で1000万倍に増幅し、従来は事実上不可能だった生体からの検出を可能にした。実用化されれば、CJDやBSEの早期診断、治療や拡大抑制につながる。異常プリオンは主に脳などに蓄積するたんぱく質の一種で、正常プリオンに接触すると異常化させる。確実な検出にはこれまで、死後に脳の組織を採って検査するしかなかった。同大医学部のクローディオ・ソト教授(神経学)らは微量の異常プリオンに大量の正常プリオンを加えて培養した。すると両方のプリオンは固まりとなり、正常プリオンの一部が異常化した。この固まりに超音波を当ててばらばらにし、さらに培養を続ける「PMCA法」を何度も繰り返すことで、異常プリオンの量を増やして検出を可能にした。異常プリオンを注射して発病させたハムスター18匹を検査すると、89%にあたる16匹の血液から検出できた。また健康なハムスター12匹の検査ではすべて「異常なし」との結果となり、検査の信頼性は高いと見られる。ソト教授らは「生化学的方法で血液から検出したのは今回が初めて」としている。異常プリオンの量を増やす手法そのものは4年前に開発したが、その後、作業の自動化を進め、増幅の効率もアップさせた。検査の際は電子レンジ程度の大きさの装置で144回の培養を行い、この過程を6回繰り返したという。 教授は今後、発病前の動物での検出や、人間への応用が可能かどうかについて調べるという。 毎日新聞 2005年8月29日 11時39分 |
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プリオンが骨髄幹細胞の再生能力に関与 |
2006-02-01 00:00:00 異常なプリオンは狂牛病やクロイツフェルトヤコブ病を引き起こしますが、正常なプリオンがどのような機能を有しているかは分かっていませんでした。このたび、Whitehead
InstituteのSusan
Lindquist等がProceedings
of the National Academy of Sciences誌に発表した研究成果から「骨髄幹細胞にはプリオンが発現しており、プリオンタンパク質が幹細胞の再生能力に関与している可能性がある」と分かりました。今後研究者等は、プリオンが幹細胞の再生能力を維持するメカニズム等を詳しく調べていく予定です。 |
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プリオンは炎症部位に蓄積する |
2005-01-23 15:25:06 プリオンタンパク質は神経とリンパ系組織にのみ発現すると考えられてきました。しかしマウスでの実験成果から、炎症が起きている組織にはプリオンが蓄積する可能性があると分かりました。これまでの研究で、リンパ系組織でのプリオンタンパク質の蓄積には炎症性のサイトカインや免疫細胞が必要なことが分かっていました。そこで、研究者等はマウスの腎臓、膵臓、肝臓に慢性炎症疾患を誘発し、プリオンを投与してそれらの器官でプリオンの蓄積がおきるかどうかを調べました。その結果、プリオンタンパク質は炎症を起こしている場所に蓄積することが確認されました。 実験の結果から、プリオンを接種すると、炎症反応を起こしている部位はプリオンの製造工場と化すことが確認されています。例えば糖尿病マウスの膵臓では折りたたみ異常のプリオンが大量に製造されていました。 リンホトキシンまたはその受容体を欠いた状態では炎症を起こしていても、プリオンは蓄積しませんでした。この結果から、プリオンの蓄積にはリンホトキシンのシグナル伝達が関与していると考えられました。 |
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プリオンタンパク質を不活性化する方法 |
17:48:07
器具を損傷することなく、クロイツフェルトヤコブ病の原因となるプリオンタンパク質を不活性化する方法がフランスの研究者等によって開発されました。
この方法では特別なアルカリ溶液や気化過酸化水素などを用いるようです。従来の方法ではプリオンタンパク質は完全に除去できないばかりか、手術用具にダメージを与えてしまうことが多々ありました。
この方法に用いる溶液はSTERIS Corporationが開発しており、今回の結果をうけてUKでHamo 100 PID (Prion
Inactivation Detergent)という商品名で販売される予定です。 ‥> News Source‥>
Reference Fichet G et al (2004) Novel methods for disinfection of
prion-contaminated medical devices Lancet 364 (9433) 521-526 |
プリオン |
感染性プリオンタンパク質の末梢から中枢への移行にはリンパ節が関与している |
2007-09-26 -
新たな研究の結果、クロイツフェルトヤコブ病(CJD)やスクレイピーの原因となる感染性プリオンタンパク質の感染部位から中枢への移行にはリンパ節が関与していると示唆されました。Biotoday |
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