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8-OH-dG |
台湾で最も交通量の多い料金所で働く女性のDNAは排気ガスによって損傷している |
2005-03-23 16:39:47
台湾で最も交通量の多い料金所で8時間のシフト性で働く女性47人とオフィスで働く女性27人を比較したところ、排気ガスは酸化的なDNA損傷を引き起こすとわかりました。2005年4月のOccup
Environ
Med誌に発表された研究成果です。どれだけ排気ガスを吸っているかは尿中の8-OHdGという物質レベルで判定しました。また、どれだけDNAが酸化的損傷をきたしているかは、尿中の1-OHPGレベルで判定しました。8-OHdGは喫煙でも上昇しますが、料金所で働いている非喫煙女性の方がオフィスで働いている非喫煙女性よりも尿中8-OHdGレベルが90%高くなっていました。またNOレベルは30%高くなっていました。喫煙を考慮しても、料金所で働いている女性の方が8-OHdGレベルが高くなっていました。また8-OHdGレベルの上昇と1-OHPGの上昇は相関しており、尿中の8-OHdGレベルは排気ガスによる酸化ストレスのバイオマーカーとして有望と考えられました。
‥> News Source+ Traffic fumes damage DNA / Eurek Alert Reference Exposure to traffic exhausts
and oxidative DNA damage. Occup Environ Med. 2005 Apr;62(4):216-22. |
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日焼け:赤くなる人、発がん危険高い 血中DNAを損傷、九州大助教授ら発見 |
日焼けで皮膚が赤くなる男性は黒くなる男性に比べ、血中のDNAを損傷する率が高いことを、入江正洋九州大助教授らが突き止めた。DNA損傷は発がんのリスクを高めるため、赤く日焼けをする人は注意が必要という。16日まで開かれていた日本癌(がん)学会で発表した。入江助教授らは、日ごろ屋外スポーツをしない男子大学生27人に、晴れた日の海辺で午前10時から午後4時までの6時間、水着姿で日光浴してもらった。日焼けで赤くなる人と黒くなる人がほぼ半々に分かれた。それぞれ、血中の白血球DNAの損傷を示す指標物質(ヒドロキシデオキシグアノシン)の濃度を測定した。 赤くなる人は実験前に白血球10万個当たり0.6個だった指標物質が、実験後には1.2個程度まで倍増した。黒くなる人は実験前後でほとんど変わらず0.2個だった。実験翌朝に再度測定したが、黒くなる人はほとんど変わらないのに、赤くなる人は0.8個で、実験前のレベルには戻っていなかった。尿や血液中の、この指標物質が増えると、肺や肝臓、泌尿器などの発がん性を高めることが、これまでの研究で指摘されているという。【山本建】毎日新聞 2005年9月18日 東京朝刊※RCSの試薬として、8-OH-dGがORT生命科学研究所より販売されています。 |
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グレープフルーツやオレンジ等の柑橘系果物に豊富に含まれているフラボノイド・naringenin(ナリンゲニン)はDNA修復を促進する |
2006-02-19 00:00:00 前立腺癌細胞を用いた実験から、グレープフルーツやオレンジ等の柑橘系果物に豊富に含まれているフラボノイド・naringenin(ナリンゲニン)は、DNA塩基除去修復経路を刺激することでDNA修復を促す作用があると分かりました。 ナリンゲニン
80μmol/Lを含む溶媒に前立腺癌細胞を24時間暴露し、デオキシグアノシン(dG)と8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OH-dG)の比を測定しました。dGは正常なDNAに存在し、8-OH-dGは活性酸素・フリーラジカルが核酸塩基と反応して生じる物質です。8-OH-dG はDNA損傷の指標となります。実験の結果、ナリンゲニンを投与すると、dGに対する8-OH-dG の割合が低下しました。この結果から、ナリンゲニンはDNA修復を促進する作用があると考えられました。詳しく調べたところ、ナリンゲニンはDNA塩基除去修復経路の主要な酵素・DNA poly-betaとhOGG1を有意に上昇させると分かりました。このことからナリンゲニンはDNA塩基除去修復経路を刺激することでDNA修復を促していると考えられました。ナリンゲニン 80 μmol/Lを含む溶媒中の細胞内のナリンゲニンの濃度は3 pmol/mgでした。この濃度は生理学的に達成可能なレベルです。 柑橘系フルーツの癌抑制作用を示した疫学試験が存在します。この癌抑制作用には、ナリンゲニンのDNA修復刺激作用が関与していると考えられました。 |
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