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IGF-1 |
抗老化(アンチエイジング)ホルモン・クロト |
2005-08-29 00:00:00 Klotho(クロト)というホルモンを過剰発現させたマウスは長生きになると分かりました。クロトは細胞表面受容体に結合して、寿命延長のメカニズムとして進化的に保存されたインスリンとインスリン様成長因子−1(IGF1)のシグナル伝達を抑制します。実験の結果から、クロトによるインスリン/IGF1シグナル伝達が、クロトの抗老化作用に寄与していると考えられました。クロトは哺乳類で抗老化ホルモンとして機能しているようです。ギリシャ神話でクロトとは、運命の三女神の最初の女神で、生命の糸を紡ぐ女のことです。 |
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成長ホルモンシグナル伝達はカロリー制限による寿命延長効果に関与している |
2006-05-10 カロリー制限すると寿命が延びます。この現象は酵母から哺乳類に至るまで広く認められます。これまでの研究で、成長ホルモン、インスリン等のシグナル伝達に影響を与える変異は、線虫、ハエ、マウスにおいて寿命を延長しうることが確認されています。また、IGF-1とインスリン分泌の低下が、哺乳類における寿命と老化におけるカロリー制限の影響を仲介しているというエビデンスが得られつつあります。2006年5月8日のProceedings of the National Academy of Sciencesのオンラインバージョンに、成長ホルモン受容体を欠損したマウスにおいてカロリー制限した場合の寿命の変化やインスリン感受性を調べた結果が報告されています。実験の結果、餌を好きなだけ与えた成長ホルモン受容体欠損マウスではインスリンレベルが顕著に低下し、寿命が延びて正常なマウスに比べて加齢が非常にゆっくりでした。一方、正常なマウスではカロリー制限でオス、メスで寿命がそれぞれ19%、28%延長しましたが、成長ホルモン受容体を欠損したマウスではカロリー制限しても平均寿命は延びませんでした。また、カロリー制限を1年間実施すると正常なマウスではインスリン感受性が改善しましたが、成長ホルモン受容体を欠損したマウスではインスリン感受性のさらなる亢進は認められませんでした。これらのデータから、成長ホルモンシグナル伝達は、無制限の摂食が可能な状況での寿命や加齢をコントロールするだけでなく、カロリー制限の寿命に対する効果も仲介していると示唆されました。また、インスリンへの感受性の増強は、カロリー制限と成長ホルモン抵抗性の寿命への作用において重要な役割を有していると考えられました。 |
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低タンパク質・低カロリー食は癌のリスク上昇に関与する成長因子・ホルモンのレベルを下げる |
2006-12-10 低タンパク質・低カロリー食を長期間続けており座りがちな生活をしている21人、定期的に毎週およそ48マイルのランニングを続けており西洋食を摂っている21人、西洋食を摂っており座りがちな生活をしている21人を対象にした調査の結果、定期的なランニングや長期間の低タンパク質/低カロリー食は癌のリスクを高める血漿中の成長因子やホルモンの低下と関連すると分かりました。しかしながら、定期的にランニングしている人よりも低タンパク質・低カロリー食をしている人のほうが血漿中の成長因子・IGF-Iのレベルがより低くなっていました。これまでの研究で閉経前乳癌、前立腺癌、特定のタイプの大腸癌とIGF-1の高値が関連することが示されています。今回の調査において、低タンパク質摂取は体脂肪とは独立して血液循環中のIGF-Iの低下と関連していました。このことから、タンパク質摂取は癌のリスク調節においてとても重要な要素であり、低タンパク質摂取で付加的な癌予防効果が期待できると示唆されました。 |
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インスリン様増殖因子が乳癌に関係すると思われる |
ニューヨーク(ロイターヘルス)‐妊娠初期に血中のインスリン様増殖因子(IGF)−1濃度が上昇すると、乳癌の発症リスクが増加するようであると、アメリカとスウェーデンの研究者達がCancer Epidemiology, Biomarkers and Prevention誌12月号で報告している。 New York University School of MedicineのAnnekatrin Lukanova博士らが、多くの研究報告があるにもかかわらず、インスリン様増殖因子−1と乳癌との関係は不明であると報告している。「乳房で細胞増殖が激しいという特徴を持つ期間」である妊娠初期に高いインスリン様増殖因子−1に暴露することは乳房悪性腫瘍リスクを増加させるかもしれないと、博士らが仮定した。 さらに調査するために、研究者達は患者212名と対照者369名を対象にした研究を実施した。女性達は単生児を出産して、妊娠初期に血液サンプルを与えていた妊婦の進行中のコホートの一部であった。 乳癌リスクは、インスリン様増殖因子−1濃度の増加とともに上昇した。最も低い濃度と比べて、最も高い濃度の女性ではオッズ比が1.7であった。その関係は、初産婦(オッズ比、2.2)が他の産婦(オッズ比、1.4)と比べて強力であった。 更に、最も高いインスリン様増殖因子−1濃度を有する女性のリスクは加齢と共に低下するようである。例えば、オッズ比は、28才以下の女性では2.5であった。対応する値は、33才以上の女性では1.2であった。 癌リスクとインスリン様増殖因子−2濃度との間に関係がみとめられないことを観察している研究者達は、現在もっと大規模な研究を計画していると報告しており、「その研究は、乳癌と血中のインスリン様増殖因子−1との関係について年令の与える影響を扱うにふさわしい統計的検出力を持っていると思われる」 Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 2006;15: 2489-2493. |
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唐辛子に美肌効果、たるみ減る 名古屋市立大で研究 |
唐辛子の辛み成分「カプサイシン」を薄めて皮膚に塗ると肌の弾力性が増すことを、名古屋市立大大学院の岡嶋研二教授らが明らかにした。同教授は製薬会社と共同で、この成分を含む化粧品の開発を進めており、早ければ今年中にも商品化されるという。岡嶋教授らは、痛みや熱を感じる皮膚の知覚神経をカプサイシンで刺激すると、神経末端からCGRPという物質が放出されることを見つけた。CGRPは体内でインスリン様成長因子(IGF)―1の増加を促すが、このIGF―1は細胞を活性化し、肌の老化を防ぐ働きを持つ。マウスの皮膚にカプサイシン0・01%を含むクリームを塗ると、IGF―1の増加が見られた。同じクリームを健康な女性17人に1週間、毎日1回顔に塗ってもらったところ、肌が引き締まり、しわやたるみも減った。研究チームの換算では「肌年齢が10歳若返った」ことになるという。岡嶋教授は「リウマチや生活習慣病などへの利用も検討している」と話している。 (2007年1月5日 読売新聞) |
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高蛋白質食でIGF-1の血中濃度が上昇 |
ニューヨーク〕 ワシントン大学(ミズーリ州セントルイス)老年医学・栄養化学とヒト栄養センターのLuigi Fontana助教授らは,(1)低蛋白質の菜食主義者(2)身体の引き締まった持久走(週に約77km)者(3)通常の食事を取る健常者−を対象に,インスリン様成長因子(IGF)-1の血漿中濃度を比較検討し,IGF-1濃度は蛋白質摂取量とは関連するが,体重や体脂肪量とは無関係であるとの研究結果をAmerican Journal of Clinical Nutrition(2006; 84: 1456-1462)に発表した。高蛋白質食が発癌因子となる可能性を示すものとして注目される 低蛋白質食群のIGF-1濃度(139±
37ng/mL)は,運動群(177±37ng/mL)や対照群(201±42ng/mL)より有意に低かった。 また,インスリン,遊離性ホルモン,レプチン,C反応性蛋白質などの発癌マーカーの血漿中濃度も低蛋白質食群で最低であった。性ホルモン結合グロブリン濃度は,低蛋白質食群と運動群が対照群より高かった。比較結果はいずれも有意であった(P<0.05)。同助教授は「必要量以上の蛋白質を長期にわたり摂取した場合の癌リスクの変化について,さらに検証したい」と述べている。 今回の研究は,米国立糖尿病・消化器・腎疾患研究所(NIDDK)と米国立研究資源センター(NCRR)から助成を受けた。 |
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心不全進行→アンジオテンシンU上昇→IGF-1ダウンレギュレーション→筋萎縮 |
2005-01-15 09:47:01 うっ血性心不全が進行するとレニンーアンジオテンシン系が活性化されて骨格筋の萎縮がおきます。University of
Texas Medical Branchの研究者等によって、アンジオテンシンUを注入すると筋肉の分解による悪液質が発現することが確認されています。また、アンジオテンシンUは骨格筋と血液中のinsulin-like growth factor-1(IGF-1)レベルを下げることもわかっています。今回、同じ研究者等が「アンジオテンシンUは骨格筋のリン酸化Akt、カスペース3をそれぞれダウンレギュレーション、活性化し、細胞死を促進する」ことを明らかにしました。
アンジオテンシンUによる細胞死は、骨格筋でのIGF-1の発現により抑制されました。これらの結果から、アンジオテンシンUは骨格筋のIGF-1ダウンレギュレーションを介して筋肉を消耗させていると考えられました。 IGF-1を介するシグナル伝達を増強することは、心不全の進行によって生じる筋消耗の予防・治療法として有望です。 |
IGF-1 |
成長ホルモン投与は血清IGF-1レベルが低い線維筋痛の治療法として有望 |
2007-12-19 -
線維筋痛症患者24人が参加したパイロット試験の結果、成長ホルモン治療は血清IGF-1レベルが低い重症の線維筋痛症患者の治療法として有望と示唆されました。Biotoday |
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