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化学物質でラットが多動に 樹脂原料などで確認 |
樹脂原料のビスフェノールA(BPA)や工業原料のフェノール類など、現在広く使われている化学物質が、自閉症や注意欠陥多動性障害(ADHD)の特徴で、落ち着きなく動き回る「多動」を引き起こすことが、産業技術総合研究所と国立環境研究所のラットを使った実験で10日までに分かった。産総研の増尾好則(ますお・よしのり)研究員は「これらの物質は経口摂取でも有害物質から脳を守る血液脳関門を通り抜ける。実験結果を直接人には当てはめられないが、環境中の化学物質がADHDなどに関与している可能性がある」と指摘している。BPAやノニルフェノール、オクチルフェノールの投与で多動になったラットの脳では、運動の調節などに重要な役割を果たすドーパミン神経の発達阻害が見られた。ADHDなどのメカニズムは不明だが、ドーパミン神経の成長が阻害されているとの見方があるという。増尾研究員らは、今後、数十種類の化学物質について、多動を起こすかどうか調べることにしている。[共同通信] |
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化学物質ビスフェノール-Aに海馬でのエストロゲン誘導阻害作用 |
米コネティカット州ニューヘブン〕
ヘレンヘイズ病院(ニューヨーク州ウェストヘイバーストロー)のNeil J.
MacLusky博士は,エール大学(ニューヘブン)産婦人科・生殖科学・神経生物学のCsaba
Leranth教授らと共同研究を行い,哺乳びんなどの食品保存容器に含まれる低用量の環境汚染物質ビスフェノール-A(BPA)は雌ラット海馬でエストロゲン誘導を阻害するとEnvironmental
Health Perspectives(2005:
オンライン版)に発表した。 Leranth教授は「これらのデータはヒトのBPA曝露による潜在的な長期的予後に関する懸念を高めるもの」と述べている。 共同研究者でヘレンヘイズ病院のTibor
Hajszan博士は,男女で異なる行動や記憶の形成・保持に関与する脳の海馬において,雌ラットの低用量BPAが,シナプス結合のエストロゲン誘導を阻害することに気付いた。エストロゲンは卵巣の主要なホルモン生成物の
1 つとして広く知られているが,過去20年間の多くの研究によると,エストロゲンは脳でも合成され海馬の成長や機能に貢献しているという。 MacLusky博士によると,妊婦はBPAの血中濃度が高いことがあるが,BPA汚染はヒトの海馬の発達に悪影響を与え,小児の学習能力に長期的な影響が出るという。また,高齢者ではエストロゲン産生能力が低下するが,それにBPA曝露が加わると海馬の機能に悪影響を与え,アルツハイマー病などの加齢に関連する神経変性疾患を生じることがある。 BPAは米国で年間約20億ポンド(約
9 億kg)生産されている。BPAはプラスチックに使われているほか,歯科用のシーラントや義歯に利用されている。また,BPA誘導体は接着剤,紙,繊維製品の難燃性物質として使用されている。 |
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子どもの神経系に悪影響か プラスチック原料で米指摘 |
【ワシントン9日共同】米政府が進めている化学物質の毒性評価で、米国立環境衛生科学研究所の専門家委員会は9日までに、プラスチック原料のビスフェノールAが胎児や子どもの神経系に悪影響を与える懸念があるとする結論をまとめた。今後、規制につながる可能性もある。 ビスフェノールAについては、メダカやマウスの動物実験で内分泌かく乱作用(環境ホルモン作用)が確認されているが、日本の環境省の評価では人間に対する危険性は少ないとされている。
専門家委員会は、これまでに発表されたビスフェノールAについての科学論文を評価。胎児と幼児、子どもに蓄積して神経系や行動に与える影響について「いくらかの懸念がある」と結論付け、さらに研究が必要だとした。 |
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母親の胎内で環境ホルモンに暴露した子供は肥満化する/マウスの実験 |
2007-03-03 - 母親の胎内でBisphenol
A(ビスフェノール-A、BPA)を含む内分泌撹乱物質(環境ホルモン)に暴露したマウスは出産時は低体重でその後短期間で体重を急激に増やし、後は一生肥満であり続けると分かりました。Biotoday |
ホルムアルデヒド |
子供服から発がん物質 中国製 NZ政府が緊急調査 |
【シドニー=新居益】ニュージーランドで販売されている中国製の子供服から、発がん性が確認されている化学物質ホルムアルデヒドが大量に検出されていたことが分かり、ニュージーランド政府は20日、緊急調査に乗り出した。同国の民間テレビ局TV3の消費者番組に依頼された政府系機関の研究員が、一般の小売店で販売されている羊毛や木綿製の子供服から、安全とされる量の900倍に相当する濃度のホルムアルデヒドを検出したという。同テレビによると、この量のホルムアルデヒドは、がんのほか、皮膚炎や呼吸障害を引き起こす可能性がある。同テレビは21日に番組を放送する予定で、それまでは商品名などは明らかにしないとしている。AP通信によると、クラーク首相は「製品が適正基準を満たしていなければ、政府は即座に(輸入販売を)禁止できる」と述べた。(2007年8月21日 読売新聞) |
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大気中の化学物質で発がん、大都市ほど高リスク |
大気中の化学物質による発がんリスクは、大阪府など大都市とその周辺ほど高く、最も低い鳥取県に比べると5倍以上も違うことが、国立環境研究所の松本理(みち)主任研究員らの調査でわかった。
大気への排出量が多く、発がん性が確認されているベンゼンやホルムアルデヒドなど5物質について、大気中の濃度をもとに試算したもので、各都道府県別の総合的な発がんリスクは初めて。都内で23日開かれる同研究所の公開シンポジウムで発表する。
リスクが高かったのは、〈1〉大阪府〈2〉栃木県〈3〉香川県〈4〉埼玉県〈4〉神奈川県、逆に低かったのは〈1〉鳥取県〈2〉石川県〈3〉富山県〈4〉島根県〈5〉宮崎県(ホルムアルデヒドの測定値がない秋田と山梨、長野、福井の4県を除く)の順。
リスク自体は、空気を一生吸い続けた場合に10万人当たり、大阪府で9・2人、鳥取県で1・6人のがん発症が増えるとの試算で、たばこを毎日吸う場合の約1000分の1程度にとどまる。
松本主任研究員は「2001年度と比べると、34都道府県で発がんリスクは下がっており、排ガス規制などの効果も出ている」と話している。
(2004年6月17日 読売新聞 無断転載禁止) |
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入居者に化学物質の測定結果公開 千代田区が義務づけ |
住宅建材などから出る化学物質が原因とされる「シックハウス症候群」対策として、千代田区は、区内で新築・大規模改築される住宅などについて、建築主に完成後の室内濃度測定と入居者への結果公表を義務づける指導要綱を制定する方針を固めた。10月からの施行を目指している。
区が対象にする物質は、主に建材に使用されることが多い(1)ホルムアルデヒド(2)トルエン(3)キシレン(4)エチルベンゼン(5)スチレン。
この五つの有機化合物について、完成時に建築主に濃度測定をさせ、測定結果を入居者に公表するよう義務づける。必要な経費は建築主が負担する。公表方法などについては今後、検討していく。
対象となる建築物は住宅やマンションのほか、学校や保育所、高齢者施設、病院、ホテルなどの長期間滞在型施設。
要綱のため罰則はないが、区では「住民が測定結果を見て建物の状況を知ったうえで、入居を決断できる仕組みをつくる」と話している。
(2004/08/07) |
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自動車や印刷業界、シックハウス対策広がる |
シックハウス症候群の原因といわれる揮発性有機化合物(VOC)を削減する動きが自動車業界などに広がっている。住宅メーカーの対策が先行していたが、日産自動車やトヨタ自動車なども内装に含まれるVOCを減らした新型車を投入し始めた。印刷業界も含めて、大気汚染防止のために製造工程での排出を削減する動きも加速している。 ホルムアルデヒドやトルエンなどのVOCは自動車の内装品に使う接着剤に含まれる。日産は接着剤を水溶性に変更したほか、内装品のコーティング材に含まれるVOCを揮発させる手法など約30種類のVOC対策工法を確立。このほど発売した小型車「キューブ」の特別仕様車に採用し、厚生労働省が定めた指針値以下に抑えた。
日本自動車工業会(自工会)は2007年度以降の新車について、VOCを厚労省の指針値以下に抑制する内容の自主基準を決めている。日産は「キューブ」特別仕様車以降のすべての新車についてVOC対策工法を導入し、2年近い前倒しを達成する。 [2005年6月17日/日本経済新聞 朝刊] |
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神戸製鋼所,ホルムアルデヒドを吸着し分解する塗装鋼板を開発---シックハウス症候群対策に有効 |
神戸製鋼所はこのほど,シックハウス症候群の原因の一つとされる屋内空間のホルムアルデヒドを吸着/分解する塗装鋼板「コーベプレコート エアブリーズ」を開発した。塗装鋼板にシックハウス症候群を軽減させる機能を付加したのは,同社が世界で初めて。間仕切りをはじめ,ドア,引き戸,天井など主に内装建材に使える。まずユーザーテストを実施してから,販売する予定。
新しい塗装鋼板は,鋼板の上に化成処理皮膜を形成してからプライマーコートとトップコートを施す。ホルムアルデヒドを吸着/分解する機能を持つのは当然,最表面のトップコート。同コート向けの塗料には,ホルムアルデヒドに対し吸着機能を発揮する添加剤と分解機能を発揮する添加剤を混入した。さらに分解効果を長期間持続させるために「触媒反応を利用している」(同社)という。
この塗装鋼板のサンプル(10cm角)を容量5Lのテドラーバッグに入れ,そこにホルムアルデヒド濃度が5ppmのガスを3L注入した結果,同濃度は約20時間後に2ppmに,約50時間後には1ppmにまで低下した。試験後,テドラーバッグからいったんガスを抜き取り,新たに3Lの空気を注入し40℃×1時間の熱処理を施してから同濃度を再び測定したところ,0.1ppmと,検知管の検出限界だった。これは,ホルムアルデヒドが塗装鋼板に一度吸着されたら再放出されないことを意味している。 |
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FDAが発癌物質を含む新たな食品を検出 |
米国食品医薬品局(FDA)は、先ごろヒトへの影響は不明ながら多量摂取が動物に癌を生じさせるアクリルアミドがブラックオリーブ、プルーンジュース、粉末ホットドリンクのポスタム、粉ミルクで検出されたと発表した。 |
ホルムアルデヒド |
阪大、新設の研究棟を閉鎖 職員2人がシックハウスに |
大阪大は、大阪府豊中市の豊中キャンパスに新設した「文系総合研究棟」への立ち入りを25日から全面的に禁止する。棟内で働く職員2人がシックハウス症候群と診断されたほか、学生ら6人が体調不良を訴えたため。健康被害の原因になる恐れがあるホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物の濃度は指針値を下回っているが、安全が確認できるまで当面閉鎖する。 研究棟は7階建て延べ約6600平方メートルで1月末に完成した。工費は約12億円。高等司法研究科や保健センターなどが入り、文系学部の基礎教育にも使っていた。3月中旬から職員が働き始めたところ、女性職員2人が「部屋に入ると気分が悪くなる」などと訴え、今月11日にいずれもシックハウス症候群と診断された。 阪大は、揮発性有機化合物の濃度の調査を実施。値が低かったので様子をみていると、研究棟に出入りした学生らも今月15日、「頭痛の回数や鼻水の出方が増えた」と訴えた。このため、立ち入りを控えるよう掲示板や電子メールで学生に呼びかけた。 研究棟で予定されていた講義などは他の建物に振り分け、現在は物の移動などで一部職員が出入りしているだけという。今後、とりあえず換気を続ける。阪大安全衛生管理課は「学生や職員の安全を優先した。原因物質の究明と除去をしっかりやってから再び使うことにしたい」としている。 Asahi.Com |
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